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今は何色なんだろう?という話。

 今年の夏休み帰省の折、3,4年振りに地元の友人に思いがけず出会った。少し立ち話をしてわかれたのだが、前回会ってからの印象がかなり変わっていた。
 形容し辛いのだが、“代謝がよくなった”“蓋が開いた”そんな印象であった。話し方が明るくなったとか、太った痩せたという見た目の変化でもない。あくまで印象の変化であった。
 後日、その友人からメールがあった。立ち話で分かれたので、改めて近況を報告しあった。そこで、印象の変化の答えがわかった。
 彼は2年程前からヨガにはまり、最近は肉体的なアプローチだけでなく、スピリチュアル方面でもヨガの世界を開拓しはじめたらしい。スピリチュアルなワードに彩られた文面は、少し理解に時間がかかった。ただ、久しぶりに合う知人に変化が伝わるレベルにまで、あちらの世界に行くことに成功しているのだろうことはわかった。
 次会った際は、手足を伸ばしたり口から火を吹いたり(↓↘→+P)できないか聞いてみよう。

 彼とのメールの後、私も過去に印象の変化をした側としての経験があったな、と思い出した。私の場合、変化のbefore/afterを捉えたのはそれぞれ別の知人(beforeに関しては2人)であるのだが、印象の表現がある共通の要素によるものであり、その要素に変化があった。よって、私の印象の変化があったと言えよう。

 その要素というのが「色」である。

 beforeについて。これは私が高校生の頃になる。当時の友人で、特に親しくしていたグループの中に友人Aと友人Bがいる。友人Aとは住む土地も進路も大きくことなったため今は連絡を取れないが、友人Bは社畜となり果てた今も連絡を取り合える数少ない親友の1人だ。
 先ず友人Aから。高校1年の夏、彼とは学園祭のライブイベントに向けてバンドを組むこととなった。エレキギターのA、ボーカルのC、ドラムのD、とある楽器の私。ある日の練習後、CとAがつまらないことから喧嘩をしだし、私が仲裁をする流れとなった。それ以降特にわだかまりも無かったため、なんてことはない喧嘩ではあった。帰り道にAと2人で駅に向かっていた際に、簡単な礼の言葉と共にこう言われた。
 「お前って、あれに似ているな。アラジンに出てくる青いやつ。」
 一瞬考え、あぁ、くらいの返事しかしていないかと記憶しているが、”ジーニー”であろう。ランプの魔人で例えたのは、少し照れ隠しで仲裁の礼を表してくれたのかな、と今は思う。当時からタッパがあり骨も肉も太い私と似ている要素はあったかもしれないが、何故青くある必要があるのだ、と感じた記憶がある。
 少し印象の話とは関係無いが、Aは学園祭後に演奏を聴きに来て惚れたらしい、同級生Kの姉と付き合いだした。(私は何故かH君という同級生の男性に告白されたが、やんわり友人のままでいることに成功した。)数か月後Aは、K姉の元カレで強面の他校の不良に狙われ出すことになり、相談を受けた。ジーニーが魔法を使えるということはなく、「命の方が大事さ。A、こんな女性からは100万積まれても逃げた方がいいぞ」と言ったかも覚えはないが、AはK姉から手を引いた。

 次に友人B。彼とは高校1年で同じクラスになって以降は別のクラスで部活なども別であったのだが何故か気が合い、それ以来の仲だ。高校2年の終わり頃、進路も考え出す時期に彼に春がやってきてしまった。私と同じクラスのFさんが気になるとのこと。
 中学3年数学で習う円周角の定理も忘れていた彼に対し、正直他に考えるべきことがあるだろう、とは思いつつも、席替えで私とFさんが隣席となった時は何故かクラスが違うのにBが私を昼食を取るようになったり、下校時に私がFさんに声をかけてBと同じタイミングで3人で下校する(途中で何故か私は忘れ物を取りに帰ったり、コンビニでどうしても週刊漫画雑誌が読みたくなったりする)ように仕向けたりした。
 結局、高校卒業間近で受験も片付いたころに、Bは当時上映されていた映画にFさんを誘い、見事付き合うことになった。さらに彼は有名私学の法学部に現役合格した。文系であった彼に円周角の定理は必要なかったのだ。
 映画を見に行った翌週の月曜、Bから報告を受けたのだが、その際に彼はこういった。
 「お前って、俺の見た映画に出てくる青い大きいやつに似ているな」
 その年にはモンスターズインク1作目が公開されていた。私はランプの魔人からモンスター・サリーになった。当時の私はその映画の主人公がマイク・サリーのコンビだということくらいしか知らなかったため、彼の言った言葉に対し『また青くてガタイのいいやつか』くらいしか思わなかったのだが、今思えば、蛇頭のセリアがFさんだったわけか。(納得いかないのだが、Bは朝青龍のような控えめな目をしており、決してギョロメちゃんではない。ぱっちりお目々の私を差し置いてそのキャラ配分は無い。)
 また印象の話とは関係無いが、私は浪人生となり、当時仲良くしていた(と勘違いしていた)Iさんという女性から、告白してすらいないのに”大学に入ったら心機一転したいので私のことは忘れてね”とメールでふられている。バレンタインにチョコをもらい「義理ってわけじゃないけど、お母さんが渡せっていうから渡すね」とも聞いたはずなのだが。。。当時この世に”ツンデレ”という概念は存在しなかったのだ。(セガサターンは存在していた。)

 さて、長くなったが友人A、Bからのbeforeの印象は『青』が共通しており、それが高校時代の私の”色”なのだろう。
 水泳部に所属していたため肌は年中日焼けており、デカくて太い。制服も黒の詰襟であったので、おおよそ見た目にさわやかな色とも言える青の要素は無い。また、脱線した上記内容にあるように、色恋沙汰には縁遠かったため、こちらにもさわやなかなものは何一つ無い。
 以上から、やはり『青』というのが当時の私の印象として何かしらを形容するものであると言えなくもないだろう。

 さて長くなってしまったので続きはまた次回にします。

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