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知っておくべき?認定こども園の入所選考の裏側 - 認定こども園理事長が語る優先枠の矛盾
先日、ある不思議な仕組み、認定こども園の2号認定に高確率で入園できる方法があることにに気づきました。優先枠で受け入れ要請がたまにあり、他の方を断るケースがたまにあり、なぜだろうと疑問に思っていました。
このことを書くのは、決して方法を推奨したいわけではありません。でも、理事長として、この仕組みの矛盾に違和感を覚えずにはいられません。特に、こども園入所の一次募集で起きる「1次希望園の選考漏れの方が2次希望の園に優先枠で入園できる」というルール。今回は、この点について考えてみたいと思います。
現状の仕組み
現在、以下のような流れで2号認定に入園できる可能性が高まります:
2歳までの子どもを小規模保育所に預ける
その小規模保育所の提携園に第一希望で申し込み、選考から漏れる
2次希望の園に「優先枠」として入園できる
注目すべきは、この「優先枠」には点数による基準が存在せず、パート勤務であっても枠に入ることができるという点です。また、パートだと選考に漏れる可能性が高いというのがポイントになります。
「優先枠」で受け入れ要請をされた認定こども園は、この「優先枠」を受け入れないと定員を満たしたということで、一般の申し込みを受け入れることができないという仕組みです。
つまり「優先枠」に入ると、ほぼ確実に園側は受けれることとなります。
実際に直面する問題
具体的な実際あった事例を挙げてみましょう:
A小規模保育所から、公務員や病院関係者など、共働きで点数の高い保護者が一次希望で申し込んでこられる
同時に、A小規模保育所からパート勤務で点数が比較的低い方の「優先枠」での受け入れ要請がある
他にも支援の必要な方や、点数が高い方の申し込みある
このような状況では、「優先枠」の方を受け入れることで、保育ニーズの高い方々をお断りせざるを得なくなるケースがでてきます。
行政対応の問題点
行政からは:
「保護者には知るすべがない」という説明
この要請を断ると「法律違反になります」との指摘
しかし、罰則について具体的な回答は得られない
このケースで兄弟時が預かることができなくなったり、支援の必要な方の受け入れが難しくなったりと、現場の保育者は心を痛めています。保育者の思いも受け止めると、この制度の不思議さ加減に憤りを感じてやみません。
制度の問題点
小規模保育所がこの仕組みを把握している場合、提携園を利用して確実に入園先を確保できるという現状には、大きな課題があると感じています。
小規模保育所に預けることができなかった、保護者のお子さんが一番不利になってしまいます。
また、小規模と提携していない認定こども園が、結果として受け皿になり、この歪みに対応しないといけないことにに疑問を感じます。
改善への提言
現場の保育者の気持ちを受け止めることも重要な責務ですが、同時に制度自体の改善も必要だと考えています。
具体的な提案として:
小規模保育所の提携園選考に漏れた場合、一次募集での優先枠適用を避け、二次募集から優先枠を設けるという改定
行政には、単なる法律の運用だけでなく、現場の課題や問題を検討する部会の設置を期待したいところです。これは政治的な課題かもしれませんが、少なくとも現場からの問題提起として発信していく必要があると考えています。
まとめ
保育園入所の選考は、本来、保育を必要とする度合いに応じて公平に行われるべきものです。しかし、現状の優先枠制度には、結果として公平性を損なう可能性がある仕組みが含まれています。
保護者の方々の不安な気持ちも、行政の立場も理解できます。ただ、現場を預かる者として、より良い仕組みを模索する必要性を感じています。