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タイミング__ジャニファン卒から10数年、再び
【タイミング】
1.ある物事をするのに丁度よい時期や瞬間。適当な時期・状況を見計らうこと。
2.演出・指揮などで好機の瞬間をはかり指示をすること。頃合いを見計らって動きを合わせること。
人生何が起きるかわからない。
物事の事象はいろんなタイミングが重なりあって成り立つ____
まさかまた、あの眩しく輝く光に足を踏み入れることになるとは。
キラキラと、時にはギラギラと熱いくらいに照らされたせいで、色濃く落とす影に翻弄されたあの頃。
もうあの世界は懲り懲りだったのに・・・
本当に人生、何が起こるかわからない___
6つの原石。6つの音色。
そう、SixTONESと書いてストーンズと読む。
彼らのことは知っていた。とはいっても、ジャニーズってことと、バラエティーでよく見る数人だけの顔と名前が一致する程度。
あとは、かつて私をジャニーズから遠ざけるきっかけとなったグループに所属していたメンバーの弟がいるということ。
___遡ると始まりは、周りの友達に感化され少し興味を持ち始めた10代の頃。
ジャニーズジュニア黄金期。嵐がまだデビューする前で、ジュニアだけで単独コンサートをするという異例の快挙を成し遂げたあの時代。
チケットが余ってるからと、ジャニーズ大好きな友達に連れて行かれた城ホール。
初めてのコンサートだった。
あの時の感覚は今もまだ鮮明に思い出す。
テレビの中の人が、目の前にいる。喋ってる。踊ってる。笑ってる・・・
強い光に心臓に響く重低音。薄く靄がかかったような不思議な世界。
初めて抱く感情と、会場の臨場感が相まって体の奥底からわき上がってくる高揚感に興奮した。
それから数年後、嵐がデビューし、ジュニアファンだった友達がデビュー組とジュニア組に分かれ始める。
当の本人たちもそうだったように、私たちファンの間にも少なからず溝ができ始めていた。
当時仲良くしていた友達は、のちに嵐になるメンバーのファンがほとんどで、そのまま嵐のファンとなっていった。
私は選り好みしなかったので、各方面の友達にいろんなグループのコンサートに連れて行ってもらっていた。
私は彼らを、ただカッコいい!好き!だけではなく、違った視点で見つめていた。きらびやかなステージの上で自分を表現できるっていいな。羨ましいな。なんて眩しい世界なんだろう。
同年代や少し上のお兄さんたちが、もう自分の居場所を見つけていて、それを見てあこがれる人たちがいる。特に熱中できるものがなかった私は、彼らがとても眩しく、そして少しの嫉妬を覚えた。
嵐のデビューから7年後。
これまでの王道ジャニーズに遠慮もなく(そんなことはないが、私にはそう思えた)切り込んできたのが、それぞれの名字のアルファベット頭文字をつなぎ合わせたグループ。
どこか危ない空気を纏わせて踊る6人組。
____KAT-TUN
正直苦手だった。というより、なにこいつら。という感覚に近かった。
先輩ジャニーズのコンサート(特にKinki Kids)にはよく行っていたから彼らの存在は知っていた。
だが、まさかハマるとは思わなかった。
何かのタイミングだったのだろうか。
あれは2004年、海賊帆のコンサート。
一人妖艶な甘い空気を身に纏い踊る人物。
___上田竜也
そのころは今のようなオラオラさは控えめで、どちらかというと可憐さと少し儚げな表情が似合う“竜ちゃん”だった。
はにかむように笑う笑顔と甘く切ない歌声。パフォーマンスのギャップに知らず知らずのうちに目を奪われた。
デビュー前のコンサートやNEWSとの合同で行われたSUMMARYにも行ったし、チケットを取るために電話をかけまくった記憶もある。(※一般のチケットは電話での先着順)
そして2006年に満を持してのデビュー。
2001年の結成から5年の年月が過ぎていた。
なかなかデビューできないもどかしさや、やるせなさ。
不完全燃焼な空気は伝わってきていたから、このデビューは自分のことのように嬉しかった。やっと彼らが思いっきり爆発できる場所が与えられたんだ。
CDは全部初回盤、通常盤の全形態をゲット(のちに、金銭面を考え初回盤だけに絞るようになるが)。彼らが表紙を飾る雑誌はどれもチェックしたし、切り抜きを集めたりもした。出演するドラマやバラエティー番組、ラジオは欠かさず保存。
“竜ちゃん”のソロコンサートにも舞台も観に行った。
初めて遠征というのを経験した。まだ行ったことがない土地に友達ができた。年齢が違う人と話す機会が増えた。世界が広がった。毎日がワクワクした。
そして、それに引きかえ、少ないお小遣いは彼らに消えていった。
彼らの勢いが増すにつれ、だんだんとその波について行けなくなっている自分に薄々気づき始めた。
ちょうどその頃SNSが世の中を席巻し始め、私たちの間でもそれが恰好のツールとなっていた。その分、人間の黒い部分が顕著に見えるようになっていった。
チケット譲ります。譲ってください。駆け引き。裏切り。優越感。
正規の値段完全無視の高額で取引される世界。
彼らが着実に人気を手に入れると共に、競争率は高くなりその戦に敗れたものは躍起になってチケットを探す日々。
ファンの中でも若い層に属していた私は、お姉さま方と同等に渡り合える知恵も度胸もなく、学生の身分で自由に使える金銭的余裕もなく。
今思えば、若さゆえ冷静さに欠け、気持ちのコントロールがうまくできていなかったのだと思う。
いよいよ将来を考える大切な時期になり、次第に彼らへ割いていた時間が減っていった。
この世界に嫌気がさしていたころ、メンバーの一人が留学。復帰するも後に脱退。
もういいや。疲れた。気づけばファンクラブの期限も切れていた。
それからはコンサートに行くことも、音源を買うことも、雑誌の発売日に本屋巡りをすることもなくなり、あの恍惚とした世界から遠ざかっていった。
それから数年後、朝のニュース番組でまた一人、二人とグループを離れ、ついに三人になったと知った。
そんなこんなで、闇を抱えるきらびやかな世界から抜け出すこと十数年。
音楽番組は流し目程度に見る程度。話題になったジャニーズの主演ドラマは話が面白くなければ途中で見るのをやめ、あれほど楽しみにしていた年末のカウントダウンも見ず、年越しはベッドの中。
そんな日々が当たり前になっていたのに。まさかだ。
また、こんな日がくるとは___
白ではなく黒。キラキラよりオラオラ。冷ややかな目。
2020年。苦手な部類に属するグループが出てきた。
また6人組だ。
結成から5年、満を持してのデビュー。ん?なんだか既視感。
かつてのあのグループと似通った境遇であることを知り、あの頃の苦くて刺激的な感情が胃液のように上がってくる感覚を覚えた。
絶対に嵌らない。絶対に堕ちない。そう決めていたのに・・・
ただ、不思議と十数年前の感覚とは違う。
それはタブーとされていたSNSを公式が始めたからか。YouTubeチャンネルを開設したからか。
オン(歌って踊る)の彼らだけではなくオフ(メンバーでわちゃわちゃしている素に近い彼ら)の部分を知る機会が増え、所謂パブリックイメージとはまた違った魅力に触れやすくなったからなのか。
私自身、年齢を重ね、10近くも年下の彼らに少し冷静に見ることが出来ているということも大きいのかもしれない。
6つの原石。6つの音色。
そう、SixTONESと書いてストーンズと読む。
やはり、人生は何が起こるかわからない。どれもタイミングなのだ。
SixTONES 結成6周年おめでとう。