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[書評] UXリサーチの活かし方 ユーザーの声を意思決定につなげるためにできること - 瀧本 はろか著 2025年01月27日


この書籍『UXリサーチの活かし方 ユーザーの声を意思決定につなげるためにできること』は、UXリサーチをどのように活かして、組織の意思決定に繋げるかを深掘りしています。書籍は、UXリサーチ活動の具体的な実践方法を示し、リサーチの成果がどのように事業や組織に貢献できるかを説明しています。以下、各章の内容を要約します。

序章: 「ユーザー理解」と「事業」をつなげる

  • ユーザー理解は非常に重要であり、リサーチが事業にどのように活かされるべきかを理解することが最初のステップです。

  • 組織内でユーザー視点が効果的に活用される環境条件を整え、事業の目標を見据えたリサーチ手段を講じることが必要です。

第1部: 3つの視点でリサーチの必要性を捉える

  • 第1章: 自分・組織・事業の3つの主語を切り替える

    • 事業目標を達成するためには、組織や事業の構造を深く理解し、リサーチをどのタイミングで実施するかを見極める必要があります。

  • 第2章: 自分視点で「立ち位置」を把握する

    • 自分の期待役割とユーザー視点とのつながりを明確にし、リサーチの影響を理解することが重要です。

  • 第3章: 組織視点に切り替える

    • 組織の中で自分の位置を把握し、リサーチ活動がどのように進められるか、意思決定の流れにどう絡めるかを考えます。

  • 第4章: 事業視点に切り替える

    • 事業の売上や目標を分解し、リサーチがどのようにゴールに繋がるかを理解し、計画的にリサーチを進めます。

第2部: リサーチの波を作る

  • 第5章: 日常業務の延長上で、仲間を巻き込む

    • リサーチを進める上で、他のチームメンバーを巻き込んで協力してもらうことが効果的です。共に進めることで、より良い結果が得られます。

  • 第6章: リサーチ活動をオープンに報告していく

    • リサーチ結果を組織に報告し、意思決定にどう繋がるかを明示することが重要です。透明性を持って報告することで、理解と信頼が深まります。

第3部: リサーチの波を組織全体に広げる

  • 第7章: リサーチに周囲をいかに巻き込むか

    • プロジェクト体制を整え、チーム全体がリサーチの価値を理解し、協力して進められる環境を作ります。

  • 第8章: 伴走型リサーチの進め方

    • リサーチは単発ではなく、長期的なプロセスとして伴走しながら進めていくことが求められます。各フェーズごとに必要な情報を収集し、伝えるタイミングを見極めます。

  • 第9章: 進行時のリスク管理や環境整備の進め方

    • リサーチ活動中に発生するリスクを予測し、進行中のミスを防ぐための対策を講じます。

  • 第10章: チームメンバーの「リサーチ体験」を意識する

    • チームがリサーチ結果をより理解しやすくするために、進行中のコミュニケーションとドキュメント作成に注力します。

  • 第11章: 複数のリサーチ案件を動かす時の優先度づけ

    • 複数のリサーチ案件を同時に進める際には、優先順位をつけ、リソースを効率よく配分する必要があります。

第4部: リサーチを継続させる

  • 第12章: ユーザー理解がチームの関心事になっている状態へ

    • リサーチ活動がチームの中で自然に関心を集め、日常業務の一部として組織内に根付くことが目標です。

  • 第13章: データベースを構築する5つのステップ

    • リサーチデータを組織内で有効に活用できるように、データベースを構築し、リサーチ結果を整理・管理します。

  • 第14章: 新入社員のオンボーディングにリサーチの力を使う

    • 新入社員がリサーチ文化を早期に理解し、リサーチ結果を自分の業務にどう活用できるかを理解させる方法を解説します。

  • 第15章: 他職種の視点でユーザー理解の活かし方を捉える

    • ユーザー理解は、リサーチだけではなく、他の職種(ビジネス開発、マーケティング、エンジニアリングなど)でも活用されるべきです。

  • 第16章: Research Culture Bookで、リサーチ活動を伝えやすくする

    • リサーチ活動を文書化し、組織内で広く伝えるために「Research Culture Book」を作成し、リサーチの重要性をチームに伝えます。

第5部: 事例集 - 組織に合わせてユーザー視点を届ける

  • 第17章: シーン別「リサーチの伝え方」

    • 実際の事例を通じて、どのようにリサーチ結果をチームに伝え、意思決定に結びつけたかを示しています。特に、初めてリサーチに取り組むシーンや、経営層に結果を伝えるシーンが取り上げられています。

結論

本書は、UXリサーチ活動を単なるデータ収集にとどまらず、組織全体に活用される形で展開する方法を詳細に解説しています。リサーチ結果を組織の意思決定に結びつけ、事業の成功に貢献するために、リサーチをどのように組織の文化に根付かせるかに焦点を当てています。

所感
本格的なUXリサーチの書籍が出たのはこれが初めて?かな?
とても詳細にUXリサーチャーの仕事が書かれており、
良著でしたねー。
分析方法とか、まとめ方とかの実際のドキュメント見てみたいですね。

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松崎 希  │  隣り合わせの灰と青春
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