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山梨大ADP 2025年01月25日 利他的デザイン

合宿用の切符発券してから有楽町へ。
と思ったら反対方向の電車に乗ってしまい、
折り返しで有楽町に行くことになりました。
とほほ。

お昼は国際ビルのマクドナルドで、
チーズバーガー

午後13:30からの授業
前半は郷先生の利他的デザイン
午後は安藤先生の願いのデザインでした。

講義シリーズとしては最後になります。

冒頭は山梨大ADPのことについて、
ちょっとプログラムの背景を説明

■きっかけのミニワーク

1.あなたは何のためにデザイン行為を行なっていますか?

→もうUXデザインしかできなくなりました、それ以外に道はない。
 何のためと言われると難しい。

2.この講義のい題目として「利他的デザイン」と名前をつけました
 利他的デザインとは何でしょうか

→利他的デザインとは、ユーザーだけでなく社会全体や環境に配慮し、
 持続可能性や社会課題の解決を目指すデザインアプローチです。

25日だから誕生日に5が入っている人と言われ、
25日生まれなので発表しましたー。

▼誰かのために将来役に立つようなものを作ることは可能か?
 ・できると思いたい
 ・作り手が思うようには使われない
 ・役に立つどころか誰かを傷つけてしまう
 ・それでもなお物を作るのは何でだろうか。
 ・作っても使われないことがわかっている製品
 ・絶望して作るのを止めちゃうのにみんな止めない

■利他的なデザイン

▼きっかけ:遠隔眼科診断装置の開発
 ・地理的な過疎化:山間僻地に専門医がいない
 ・時間的な過疎化:夜間・休日の担当医がいない

▼地域の社会的課題:専門医療の「過疎化」
 ・地域的な医療過疎
 ・時間的な過疎
 ・山梨県には眼科は1件だけ。
 ・それでも山梨県はまだ条件がいい
  山梨県には海がない、静岡県には海がある
 ・当直は若いインターンが担当する
 
▼眼科診断:細隙灯顕微鏡の使用(制限・機会)
 ・遠隔医療サービス
 ・両手が使えないとダメ

▼デザイン解:遠隔眼科診断装置の開発

▼HCD | プロトタイピングによる反復設計
 ・ペーパープロトタイプした
 ・クイック&ダーティ
 ・結構うけた

▼その後:遠隔眼科診断装置の開発経験から
 ・現行の現場では使われなくなった。
 ・一人では操作できない
 ・売られちゃうと困る問題(売れるとサポートしないと行けない)
 ・展示会に出して技術力のアピール
 ・本気でビジネスにする人がいない

▼「誰かのために将来役に立つような何かを生み出したい」
という利他的なものづくりは可能なのか?
 →作り手のウェルビーイングはどう保たれるのか?

利他的なものづくり=願い
(モチベーションをどう保つのか?)

時空間的な不一致
 本当に誰かの役に立ったかどうか:
 • 実際の使用の現場に立ち会っていないと確認できない
 • 未来にならないと分からない

使用の文脈依存性:技術は個人や状況に影響を受ける

道具の透明性:本当に使える道具は意識されない

技術の複数安定性:作り手は技術の影響を判定できない

▼ものづくりにおける利他
 ・利他的なものづくり
  デザインする対象が利他をうながすこと
 ・利他的UXの研究(安藤先生@千葉工業大学)

 ・利他的なものづくり
  ・デザインする行為が利他的であること
  ・「誰かのために将来役に立つような何かを生み出したい

▼利他的なものづくり
 ・利他的な扇風機(Altruistic Fan)Lee et al. (2011)

https://www.researchgate.net/publication/238049260_Altruistic_interaction_design_a_new_interaction_design_approach_for_making_people_care_more_about_others

特徴
 不完全なインタラクションのデザイン
 機能するためにはユーザどうしの協力が必要

評価結果

 共感の形成
 利他主義の増幅|フィードバックの欠如にもかかわらず
 製品の意味の変化|機能 → コミュニケーション媒体

▼利他の特徴|案外と簡単ではない
 ・胡散臭い(偽善)
 ・押し付けがましい(支配関係)
 ・利己性(結局は自分のため)

▼現時点での仮説
 ・ただし、作り手による意識した利他は成立しない
 ・作り手のガッカリ感
 ・意識しない感じで利他性が生まれればいい
 ・利他的なモノづくり=願い

仮説が成り立つとして、
そこに何らかの構造が見えるのであれば,
利他を促したり,循環させたりするような
働きかけができるのではないか?

▼働きかけの可能性
 ①願いからスタートしてその願いを忘れるほどに作る行為に集中させる仕組みを用意する
 ②作り手と使い手の時空間を(擬似的に)一致させる仕組みを用意する
 ③使い手が作り手に思いを馳せたり製品に手を入れたりできる余白を残す

 →ものづくりにおける利他の循環

例:デザイン制作物が上手くいってない時に起こること
  使い手が勝手にデザインすること(例:テプラ)
  次に使う人が間違わない(利他的)

▼おわりに:ものづくりにおける利他性の検討
 
・ものづくりにおける利他
 ちょっとユーザーに寄り過ぎていない?
 ユーザーに聞けばなんかできるだろ?
・現時点での仮説
 作り手による意識した利他は成立しない
 それでも,作り手のウェルビーイングは保たれる(条件によって)
・働きかけの可能性ものづくりにおける利他の循環をうながす

 
■質疑応答

遠隔眼科診断装置の運用のビジネスモデルはどうだったのか。
 →旭川に導入した。
 →無人くんみたいにはできない
→コロナのために議論が再燃した。
 →コンタクトレンズ屋の並列眼科はバイト医師
 →なかなか行けない場所で眼科サービスをしないといけない時
  例:刑務所
  例:離島
 →社会的な要請はある

胡散臭い
 →利他性を出すのは難しい
 →色気を出している
  繰り返しのデザイン

所感

遠隔治療は今、電話診療とかビデオ診療とかになっているので、
頑張ってほしい分野ですねー。

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松崎 希  │  隣り合わせの灰と青春
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