第7回 情報デザインフォーラム 2011年05月21日

5月21日(土)に横浜で開催された
「第7回 情報デザインフォーラム」に参加してきました。

元町の駅から会場に向かう、
途中でコンビニぐらいはあるかと思ったが、
駅から坂を上がるとセミナー会場で、
付近を探してもコンビニらしきものはまったくない。

会場付近は観光地になっていて、人がたくさん。

しょうがないので、
会場付近の自動販売機でコーラを買って受付へ。

受付で、セミナー参加費を準備できてないことに気付き、
上平先生にツケにしてもらうwww

受付にはなぜか元田さんがいて、ポラロイドで写真を撮られる。
「写真に名前を書いてから、そこにあるピンを選んで!」と言われるまま、
透明なピンを選んで会場の中へ。

ワークショップだからテーブルとかで、
チーム分けされているかと思いきや、
イスは省かれていて、床にダンボールと模造紙などが準備されている。

6つに別れたダンボールの上に、
硬めのボードが置いてあり、
ここに刺してあるピンの色のところが、
自分の参加するチームになる仕掛けが...

とりあえず、
透明なピンの場所に、
自分の写真を貼る。

すでに学生さんらしき人と、
社会人らしき人の写真が貼ってある。

ほどなく、お手伝いだった元田さんもやって来て、
偶然にも同じチーム。

■第一部:「災害から身を守り、情報を伝えあうためのデザイン」を考えるワークショップ[12:00-15:15]

女子3名、男子1名の状態でワークショップがスタート。

参加者がまだ集まらないとのことで、
ちょっと遅れて12時05分にスタート。
まずは木村さんから簡単な説明。

今回は学生がゼミ単位で来ていたため、
なぜか若い女子が多い。(男子は10名、女子20名ぐらい?)

木村さんからお題の説明が、
今回は災害時に「自分たちのチームで考えたことを他人にどう伝えるか?どうつなぐか?

ワークショップのテーマは、
ダンボールの裏に準備されていて、
僕たちのチームは「大津波」でした。(大津波と大地震の2テーマだったようです)

まずは個人で考えて、
10分ぐらいで、A4の紙へ書いていく。
それを30分で共有。

共有している最中に千葉工大の安藤先生が乱入して来たので、
安藤先生にも、テーマについて考えていることを喋っていただく。

4人で意見を言いながら、
2時間で意見をまとめる。

ほかのチームもディスカッションしながら、
作業を進めてます。

ポスターは、
「Don't Think Fell」というテーマで作成しました。

「Don't Think Fell」
 ・災害前の備え
  →知識の蓄積と、災害の伝承

 ・災害時
  →「考えない行動」
    今回の震災の経験を生かして、とにかく考えないで子供の素早さで逃げることを身につける
    (津波でんでんこ)

  →トップダウンのアナウンス
   今回の災害で、防災放送があったのにかかわらず逃げなかった人がいたので、
   通常出てこないような人(市長)がアナウンスすればいい。
 
 ・災害前と災害時を1000年伝承する。

------------------------------------------------

安藤先生からは、
2003年に韓国で起きた電車火災で、
「車内で煙が充満しているのに逃げない人たち」がいたと、
共有がありました。

参考「韓国地下鉄火災事件における「多数派同調バイアス」と「正常性バイアス」」

この事例のよると、
・経験したことのない出来事が突然身の回りに起きたとき、
 どうしていいかわからなくなり、他人の行動を観察しながら、
 同じ行動をとることで安全を確保しようとする心理
 →「多数派同調バイアス」(集団同調性バイアス)

・経験したことがない出来事が起きたとき、
 現実(リアル)を否定し、仮想ではないかと認識してしまう心理
 →「正常性バイアス」

というのがあり、
災害時の認知心理は特別なものがあり、
市長がアナウンスしただけだとちょっと無理かもしれませんね・・・

ワークショップを進めつつもモヤモヤしていたのが、

「情報は劣化する。」
「知らない場所に外から来た人はどう逃げるのか?」
「人間は慣れてしまう」
「面倒くさい!という心理」

のあたりでしょうか。

たしかに震災の教訓から学ぶのも大切なのですが、
震災があるたびに「阪神大地震の教訓は生かされなかった」とか、
「逃げなかった人がいた」と聞くと、
そんなに簡単なものでもないのかなという風に思いました。

発表

ポスターができあがったら、
各チームの代表が簡単に発表。

2チーム。

・目に見える形で被害を継承。
・津波が起きるとインフラがなくなるのでアナログ(声など)
 →歌。
・身体で繋ぐ(鬼ごっこなどの遊び)

3チーム

サバイブ 24hrs

 インフラは止まっている、
 ホームレスが先生。
 防災訓練をゲームに......

4チーム

いかに日常的にするか…
→リアリティと刷り込み
→共有(ここはまだ)

5チーム。

地域への愛着。
体感する。
伝えて行く場所を作る(祭り)
動画、映画、演劇をつくる。
体験者からの話。

6チーム。

震災があったときの指針があればいいのではないか?

各チームで発表が終了するころには、第二部に参加するメンバーも集まってきたので、ワークショップの後片付けをして、椅子を並べる。

講演

「わかるための表現と伝えるための表現」

原田 泰
(千葉工業大学・准教授/デザインコンパス代表)

第一部の講演では、
「情報を伝えあう」というテーマで、
今回のワークショップのアウトプットを関連づけて、
講演していただきました。

原田先生のプレゼン資料は、
「手書き!!」
さすがインフォメーショングラフィックスの先生

■自分がわかるために表現、誰かに伝えるための表現
 →理解のプロセス
  データ→情報→知識→知恵  
  ※理解には表現を伴う。

  素材 → 構造 → 表示
    視覚化  組織化
    ↓     ↓
  わかるため  伝えるため

  ※今回のワークショップだと、「机の下に隠れろ!」だけでなく、
    結論にいたる過程の理解が必要。
 
■原田先生が一人でワークショップをやってみた。
 →原発のことを整理
  爆発したのに、それ以降の動きが付箋で読み取れない。

■デザインの例
 ・事故回避ツール
  →病院での子供の事故を回避するためのツール
   A4は大人用、A3は子供用
   ※経験的に知識を獲得するツール。
   
 ・博物館でのiPad利用の説明ツール
  
 ・リアルタイムドキュメンテーション
  →ワークショップのストーリーボーディングみたいなもの。
 
■まとめ
 ・図の活用

 ・ワークショップのふりかえり
   アイデアがどの属性にあたるかをかんがえる必要がある。
   伝えるということは100%の理解が必要。

■宣伝
 図解力アップドリル
 http://www.amazon.co.jp/dp/4862670903

「スマートグラフィックス」
---美と知とたのしいを併せ持つデザイン---

中川 憲造
(NDCグラフィックス代表)

講演の後半は、NDCグラフィックスの代表で、
横浜のベイシティマップを作ったり、
横浜を活性化するデザインを行っている、中川憲造さんの講演でした。

■中川さんのキャリア
  中学生のときには、毎週学級新聞をつくっていた。
  (デザインの最初はジャーナリスト的な取り組みだった。)

■デザインの起源
 →ラスコーの洞窟
  原初のインフォメーショングラフィックスでは。
  伝承する役割で、共同体をどうやって伝えるか。

  ※TAKEO DESK DIARY
  ※一目でわかるシンボルデザイン
 
■いい地図を持っている都市。
 →都市の民度を表している。
  (良いデザイナー、印刷会社、出版社)
 
 ※横浜のガイドから、「坂があるので、地図に表現してほしいといわれた。」
  →地図に適用した。

■インフォメーショングラフィックスの始まり
 →1963年のロンドン地図(ベック)
  それまでの地図は駅と駅を距離で表していた。
  最初は採用されなかった。
  (大事なのは駅と駅の距離間ではない。)

■日本のピクトグラムの始まり
  日本で行われた、世界デザイン会議の世界地図帳
  1960年代は日本のデザインの始まりでは???
 
■原発のはなし
 →事故のあと、情報がない!!という声があがったが、
  情報がないのではなく、情報を理解する仕組み(デザイン)がないのではないか
 
 →事故のあと、原発の詳細設計図と、原発の安全性をアピールする漫画が
   ニュースで移されていた。専門家だとわかるなようだが、
   誰に伝えるのかを考えてデザインが必要だったのではないか?

 →翻訳されたデザインが必要
  テレビのピクトグラムは、文字だけでは寂しいからという理由で、
  よけいな色や図解をつけることが多い。(多くの人が誤解した)

 →専門家の言葉が普通に茶の間に飛び込んでくる。
  専門用語そのまま。余計なものが多すぎるピクトグラム

■標準案内記号
 横浜スタジアムのショップのトイレのサインを見て、
 福田さんが推薦してくれた。
  →普通のデザインだけでなく、楽しいデザインができるひとだ。

■犬のフンの看板
 →「犬にフンをさせないでください」という横断幕は、
   逆にデザインを破壊してしまう。
   だから楽しいピクトグラムをデザインした。

第三部: パネルセッション

講演の後は、
パネルセッションと懇親会を兼ね、
会場で飲食をしながら、
ワークショップの内容を発表したり、
交流を図ったりしました。

二次会

パネルセッション終了後に有志で、
場所を変えて二次会

18:30ごろから、
ワゴンタクシーで、
25名の大移動

韓国料理屋の「とんがらし」にて二次会スタート

めずらしくテーブルにまったく知り合いがいなかったので、
いろいろとコミニュケーションできました

盛り上がっております。

なぞのポーズをとる子

後ろには大御所のみなさまが。

頭と身体を使った濃密な一日でしたが、
非常に楽しむことができました、
参加した皆様、ありがとうございました。

関連リンク

■Twitter ハッシュタグ
 #infodf

■情報デザイン研究室
 第7回情報デザインフォーラムin横浜山手 報告


いいなと思ったら応援しよう!

松崎 希  │  隣り合わせの灰と青春
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!