人生を変えてくれたあなたへ
私の人生を漫画にするならば、1コマ目は、佐野文哉さんの踊るHighlightを見た瞬間だと思う。
人生を変えた、なんて大袈裟な言葉が決して嘘ではなく、佐野文哉さんに出会ったあの瞬間から、間違いなく自分を取り巻く環境の彩度が上がりキラキラと輝き出したように感じた。そして、それは今もずっと変わらずに続いている。
noteを書くことが好きなのに、自分にとって本当に大切な推しである佐野さんのことを、どう言葉にすればいいか迷ってなかなか書けずにいた。しかし、最近の佐野さんのあまりの眩しさに、今書かないといけないという使命感に駆られ、想いが溢れてしまいしばしば泣きながら、懸命に文字を打ち込んでいる。
佐野さんに出会うまでの私は、いわゆる推しとは無縁な生活を送っていた。親元を離れ働き始めた私は、慣れない社会人生活や仕事に悪戦苦闘しながら、何とか必死に生きていた。趣味もそれなりにあったが、生きる糧みたいなものは特になく、何となく暮らしていた。
そんな私に友人が、PRODUCE 101 JAPANというオーディション番組を教えてくれた。10年以上とあるアイドルを推している友人が、なんだか気になる子がいるとのこと。この子が好きそう、と勧めてくれた子は正直あまり刺さらなかったが、昔から一般人がオーディションを経てスターダムに駆け上がる、というような番組は好きだったので、とりあえず見てみることにした。うだつの上がらない日々を送る新社会人の私には、夢に向かって真っ直ぐに努力する彼らが輝いて見えた。ハマった。この時はまだコンテンツとして楽しんでいたレベルだった。
推し、誰にしようかな?この子もいいな、あの子もいいな〜とのんびり構えていた私は、全く目をつけていなかった子のダンスに頭を殴られたような衝撃を受けた。佐野文哉さんだった。綺麗で品があってしなやかなのに、力強くて真っ直ぐで、本当に美しくてかっこよかった。見つけた、この子だ、と思った。人生で初めて推しができた。
番組のある木曜日が楽しみで、1週間なんてあっという間だった。毎日投票をしてドキドキしながら眠った。佐野さんが次はどんな姿を見せてくれるんだろう?どんなパフォーマンスをして、どんなことを感じるんだろう?と考えるだけで幸せだった。
でも、ある日突然終わりが来た。佐野さんが脱落してしまった。絶望したが、番組は最後まで見続けた。滑舌の悪さを気にしていた佐野さんが、ファイナルの画面の小窓で、できる限りハキハキとした口調でナレーションを始めた時は、少し泣きそうになってから、すぐに笑顔になれた。
本当に苦しいのはここからだった。番組が終わると、佐野さんは一般人である。今何をしているんだろう?表舞台にもう一度立つ気はある?木曜日になっても、新しい佐野さんの姿は見られない。SNSの更新で一喜一憂する日々が続いた。
そんな中、佐野さんが4人組で活動することが発表された。涙が出るほど嬉しかった。後に、OWVという素敵なグループ名がついた。Our only Way to get Victoryという言葉は、前を向いて信念を貫く強い佐野さんにびっくりするくらいよく似合っていた。
待ちに待ったライブに行けた時、グッズを買うために炎天下で並ぶのが想像以上にしんどかったり、案外買えたら暇になってしまったり、背の低い自分はライブハウスでは割としんどい思いをしたり、知らないことがたくさんあった。佐野さんが実在して踊って歌っていて、本当にいるんだ…と月並みな感想を抱いた。
ペンライトを持ったのも、推しの名前うちわを作るのも、メンバーカラーの青色の服を買ってみたりするのも、全て佐野さんが初めてだった。CDショップにパネルを見に行って、ライブを見るために遠征をして、アクスタを買って、小さなぬいぐるみを買った。友達と並べて写真を撮った。推しがいる、ということがこんなに楽しく、人生に彩りを与えてくれるとは知らなかった。心の底から、出会ってくれてありがとう、と思い、見つけられてよかったなとも思った。
推しがいる生活の喜びを知った私は、どんどん推しが増えていったが、依然として世界一好きなパフォーマンスをするのは佐野さんだった。OWVを見て、元気付けられることも、時に苦しい気持ちになることもあったが、ライブでの姿を見るとどうしても離れることはできなかった。外部イベントでOWVのペンライトが少なく悔しい思いもした。でも、アウェーの現場でも、他のグループのファンを巻き込んでOWVはいつだって期待を超えるパフォーマンスを見せてくれた。いつライブに行っても、必ずOWVは最強で最高だという気持ちに溢れて公演終了を迎えられる信頼があった。本当にかっこいいグループだと胸を張って言える。
そんな大好きなOWVに、最近強い追い風が吹いている。正確には、吹かせているというか、風を巻き込んで前に進んでいるというか。彼らの努力が着実に認められてきているのは間違いない。そのきっかけの一つが、オールスター感謝祭での佐野さんの赤坂ミニマラソン優勝だと思う。
ずっとずっと、佐野さんには運動神経を生かした地上波の番組に出てほしいと思っていた。出演が決まった時は本当に嬉しくて、色んな友人に宣伝をした。元より注目選手だったかというと正直微妙かもしれないが、私は佐野さんは必ず爪痕を残してくれるという自信があった。
結果として、佐野さんはミニマラソン終盤で颯爽と1位に踊り出た。突如現れたダークホースに、佐野さんを知らない視聴者はこの子は誰だ?と驚いたと思う。OWVというグループを背負って戦い、最高の結果を残した佐野さんが誇らしく涙が出た。たくさんの友人から祝福の連絡がきた。おめでとう、かっこよかった、すごいね、という言葉が、自分のことのように嬉しかった。
さらに快進撃を続け、バラエティ番組に短期間で2度呼ばれたり、マラソン企画に立て続けに呼ばれたり、少し前では考えられなかったような地上波の大型番組出演が増えた。勢いこのままに、いけるところまでいってほしい。
佐野さんのどこが好きか?と考えた時に、真っ先に浮かぶのは、生き様そのものだと言える。自信家に見える裏には血の滲むような努力があり、有言実行するために自分を追い込んで、それでいて表では飄々としている。クールに見えて野心家で、ドライに見えて愛情深く、魂はいつも燃えている。強い人なんだなと思うと同時に、強くいようとする人なんだとも思っている。この人みたいになりたい。佐野さんを見つけたあの日からずっと、私の人生のロールモデルだ。
もちろんパフォーマンスも大好きだ。命を削るように踊る姿にいつも見惚れてしまうが、踊りすぎて内出血になるという話を聞いた時は流石に心配した。音に乗って踊るというよりは、音側が必死に佐野さんに食らいついているように見える。そうしないと振り落とされてしまうからだ。強く逞しく、それでいて優雅で美しい。私は佐野さんの静寂を切り裂くようなヒットに、何度も心を撃ち抜かれている。
私の人生を変えてくれた、推す喜びを与えてくれた佐野さんに一体何ができるだろう。どうすれば恩返しができるだろう。自分の無力さを嘆いたこともあるが、目一杯の愛と声援を送り、OWVが、佐野文哉さんが見たい景色をどこまでも一緒に見ていきたい。きっと佐野さんは現状に満足することは無く、常に上を、もっとその先を見て凄まじいスピードで進んでいく人だ。
佐野さんが描いている物語は、ときに回り道でも必ずサクセスストーリーに繋がっていると信じている。世界を奪いにいこうと、翼を広げて大きく羽ばたこうとするあなたが、姿が見えなくなるくらいにもっと高く飛べるように願っている。