福祉って、すごい仕事なんですけど知ってました?
福祉の仕事、と聞いてどんなイメージを持ちますか?
労働条件等を考えると、私もいろいろと思うところはあるけれども、やっぱりすごい仕事だと思うのです。
「人を助けている」「喜んでもらえる」などといった表面的なところだけではなく、もっともっと奥深い仕事なんです、福祉は。
福祉の考え方は、人間が生きる本質を問う
福祉の業界で当たり前に大切にされていることは、人間が生きる本質です。
誰もが生まれながらにして当たり前に享受すべき権利が明らかにされています。
これらの権利は、これまでの歴史の中で、先人たちが勝ち取ってきたと言っていいでしょう。
そのような歴史を経て、「こういうふうに生きる(生活する)ことは最低限保障されるべきである」という一旦の定義がなされているわけです。
そしてその定義は、各現場、各ケース、各支援者によって、日々議論されアップデートされています。
このように、常に自分や仲間や相手や社会の「しあわせ」に向き合う仕事。
それが福祉です。
こういった営みこそが、人間が生きることの豊かさであり、本質だと思うのです。
(ちなみに福祉という字は、どちらも「しあわせ」という意味です)
福祉のスタッフのすごいところ
福祉のスタッフのみなさんは、想いを持って働いている方が多いように思います。
奥ゆかしく「大した想いはない」とおっしゃる方でも、やはり自分の価値観に従って入職されているわけです。
そういった価値観を持ちつつ、でも、ご利用者に自分の価値観を押し付けない。
まず、そこが、すごい。
誰しも、目の前に困っている人がいたら、自分の生きてきた「やり方」「考え方」を良かれと思ってオススメしたくなる気持ちがあると思うのです。
しかしそこを、疑ってみる。
「今、我々はこういう暮らしが幸せだと思って、この利用者に、こういう支援をしているけれども、果たしてそれは本当に正しいのだろうか?」
「この取り組みは、このご利用者のしあわせに繋がっているだろうか?」
「ご利用者にとってのしあわせ、私にとってのしあわせ、社会にとってのしあわせとは、なんだろうか?」
日々「これでいいのかな?」と考え悩み続けています。
そして、考えるだけではなく実践の中で「しあわせ」に向き合っています。
毎日のめまぐるしい支援の1コマ1コマが、こういった哲学的とも言える問いに対応しているといって良いでしょう。
それを、福祉のスタッフは当たり前に毎日やっているのです。
すごくないですか?
福祉の仕事は、「生きる」を一緒にすること
福祉は、社会制度を通して、ご利用者のしあわせを考えることを通して、日々の実践を通して、自分に向き合う仕事です。
真面目に支援をしようと思えば思うほど、自分に向き合わざるを得なくなる(というか、自分が見えてくる)仕事です。
ご利用者、ご利用者の家族、スタッフ1人ひとりの価値観を尊重しつつ、自分の価値観を見失わず、葛藤しながらも疲弊せず、「生きる」を一緒にやっていく仕事です。
私が福祉界隈に居続けるのは
福祉は、他の業界と同じように頑張ったり大変な想いをしたり喜びを感じたりしても、その成果は、数字では現れません(金額や成績や量など)。
だから、ほとほと嫌になることもあります。
それでもここに居続けるのは、生きることが好きだから。
誰かが人間らしく生きている様にとても魅力を感じるから。
「良い生き方」ではなくて、生きることそのものに価値や魅力があると思っているから。
いろんな人が、いろんなふうに生きている、それがおもしろい。
そんな価値観を共有できる人と、この業界でたくさん出逢ったから、私はここにいます。
自分の生き方や価値観に向き合う
自分の価値観に向き合うということは、暮らしのなかのいろいろなことを、自分の言葉で定義するということです。基準に気づく、というのかな。
たとえば、
「仕事」とは何か?
「衛生的」とはどういう状態か?どこまで許容されるか?
「豊か」はどういう状態を指すか?
「リスク」をどの視点でどう捉えているか?
ご利用者と自分の違いは何か? などなど。
ご利用者、そのご家族、同僚のスタッフ、関係機関の支援者、プライベートで関わる人々、そして自分。
それぞれの項目について、それぞれの立場や視点、個人的な価値観で考え方が違います。方法論も違います。そしてそのどれもが一理ある。
本当に、揺さぶられる体験をしました。
仕事のなかで、暮らしのなかで、そしてそれらと離れたところで
このように、ご利用者の姿、支援者同士の意見の違い、社会制度、そして自分の日々の振る舞いを通して、自分自身がどう考え、どう生きているかに向き合っています。意図的ではないかもしれませんが。
(私はこういうのが好きなので、意図的にやっているというか癖になっている)
福祉は、それが日常です。
福祉は生きることなので、ストップできません。
葛藤を抱えながら、毎日の支援を続けていきます。
そして、答えが確立されることはありません。
常に考え続けアップデートされ続けることが、福祉の、しあわせの、意義だから。
でも、そういう思考や心の動きを、1人で抱えていなくてもいいのです。
みんなで話し合えばいいのです。
暮らしの中で消化していけばいいのです。
そしてたまには、職場とも暮らしとも離れた場で、思考や心を整理すればいいのです。
自分を大切にすることは、大切な人を守ること。
あなたが疲弊せず、健やかに暮らし続けられることを祈っています。
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