ウクライナ平和の鐘 003 悪業を離れよ
■2022(令和4)年3月13日 003 悪業を離れよ
(動画の2:59~5:20)
人の苦の有り様を見つめた仏様の教えは、現在の苦を離れるために、未来の苦を生み出さないために、悪業を手放すべきと示しています。
合掌
仏教には「業」という考え方があります。これは原因が結果に結びつくエネルギーのことです。
例えばボールを上に投げ上げるとします(原因)。地球上には引力が働いていますね(周辺条件)。だからボールは必ず落ちてきます(結果)。頭に当たれば痛い、落ちた後もしばらく打ち身の痛みに耐えなければなりません(報い)。
因・縁・果・報。ある条件下で、原因は結果に結びつき、報いの働きが持続するということです。
仏様の教えは人の心についてのものです。人はなぜ苦しむのか、どうすれば苦しみを取り除くことができるのか。苦しみという果報を逃れるためには、それを生み出した因縁を取り除かなくてはなりません。
苦しみの原因になる人の振る舞い、これを悪業と言います。悪業そのものがまず周りの人にも苦しみを与えるし、その苦しみは巡り巡って必ず本人に帰ってきます。
だから、苦しみを生まないために、悪業を積まないことが大切です。
軍隊を敵国に送って人々を殺戮する戦争。これは悪業です。侵攻によって相手国に無数の苦しみをもたらし、その行為が国際社会から責められ制裁されて、侵攻した国に苦しみが帰ってくる。私たちは今まさに、そのような事態を目の当たりにしています。
世界からこの苦しみが一刻も早く取り除かれるように、悪業を手放すこと。そのための道を誰もが求めています。
再拝