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市立小樽文学館をみつけたはなし(後編)
前編よりの続き(下にリンクあり)...
文学館の建物の入口は道路沿いにある。入場料は300円、建物が古いのは小樽市のあるあるだけど、支払う場所がわからない。
不思議な階段を登り、横目にモダンデザインのトイレを見つつ奥に窓口らしい小窓を右側にみつけた。ここまで50mくらい歩く。絶妙に小樽の建築。かっこいいんだけど昭和のデザインはわかりづらい。
小窓の反対側は事務所か。話しかけたら、受付ここだった。300円を支払い、素っ気ない昭和な券を受け取る。奥に行くと、版画展を開催している。説明も0だったので、券買って2秒で迷う。お役所あるあるだ。
どこだと思いながら、戻る。受付の手前にひろめの階段をみつけたので登ってみる。階段のあと20m歩くと、左側に本屋さんらしきものがある。一か八かカウンターらしきところにいる人へ券を渡す。受け取ってもらえた。どうやらここが「後志インフラ文学展2.5-2.27」(インフラ展)の入口。
中に入る。順路がわからん。基本左まわりだろうと予想しつつ、歩く。
パネルを読みつつ、写真を眺める。道路に関する記述が多いかな。僕は電車(汽車)が気になってるんだけど、道路も興味深い。ふむふむとナナメ読みしつつ、ゆっくりと歩く。ときおり薄い布を展示の前にぶらさげてあったりして、「女性がデザインしたのかなー」と思いつつナナメ読みをつづける。
特に新しい情報も見れなかった。という情報量だったが、もう一回行ってみたら違うかもしれない。電車(汽車)とか線路に関する情報も少ない。そんなものか。キュレーターと話せるわけでもなく、発券の人も詳しくはないだろう。こんなもんだね。
僕が着目したのは、常設の展示に入ったところ。
素敵なタッチの荒々しい女性の姿が描かれた小さな絵がある。石原慎太郎氏の展示らしい。思わぬ邂逅。
僕は石原氏に会ったことはないが、とおーく仕事で関連したことがある。いつか記事にするかもしれない。
氏の絵はキレイだと思った。少なくとも、独自の魅力がある。なんか僕は自分のアウトドアの先生を思いだしたりしながら、石原氏の絵を眺めていた。室内だが、昭和の香りがする。
氏が若かったころの写真も展示されている。石原兄弟は幼少のころ、小樽で生活していたことは知っていた。石原裕次郎ファンでもないし詳しいことは知らないが、この兄弟がお二人とも魅力的なのは港町の小樽で生活したというのもあるのかもしれない。小樽には、僕の文章では書ききれない情緒らしきものがある。
写真の石原青年を眺めながら昭和の空気を感じていた。
生活は現代のほうが良いが、昭和には昭和の魅力がある。この時代の写真は白黒が多いが「着色してみると現代感がでてよりリアルになるよな」と考えながら突っ立って見てた。どうやら石原氏は文学館に立ち寄ったこともあるらしい。
「小樽は賑やかだったが、今はただただ灰色の景色になった。」という感じの石原氏のコメントもあった。僕は東京都や勢いのあるエリアを除き、日本全体がそうなってると感じるよ。色がくすんできてるよね。経済の停滞かな。
ときおり、昭和の窓枠から雪景色を眺めてつつ文学館はいい建物だと思った。常設には他の文学者たちの展示もある。伊藤整氏は小樽の人なんだね、読んだことないけどこんど読んでみようかな。整は「ひとし」と読むことをはじめて知った。
他の文学者の展示も、コップが置いてあったり生活が見れて興味深いものだった。ふーんと思いつつ、適当な順路を歩いて受付に戻る。どうやら、受付の本屋さんらしきスペースにある本たちは寄付されたもので希望者にはもらえるらしい。僕は手ぶらすきなので、必要ないけど今度時間のあるときにゆっくり見てみたい。
受付にはcafeスペースもあるが、いまは閉店しているらしい。コーヒー飲みたかったな。チャンスがあるなら僕が出店したいくらいだ。帰るまえに、受付の人と少し話してから帰路についた。
景色を巻き戻すみたいに、20m歩いて階段へ。1階にあった版画展も少し覗く。さらに50mの景色を見て、左にあるモダンデザインのトイレを眺めつつ出口へむかう。
外に出ると、青空が広がっていてカモメが飛んでいる。2月は雪も多くて小樽市民はゆっくりと歩いている。僕も思いソレルのブーツと、小樽の近代史について少し思考を深めながら小樽の駅まで歩いて帰った。
これが僕が文学館を訪ねた話し。雰囲気もあるし面白いスポットなので、また行くことになると思う。さぁ、今日は雪も少ないし除雪が楽だった。またコーヒー飲んでカフェインに酔うことにしよう。ではまた。
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