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CT検査は癌を誘発するのか?ウソ?ホント?

SNS巡回をしていると

とあるツイートに目が止まりました

『CT検査で癌になっている』

という内容です

果たしてそれは本当なのか?

世界からみる日本のCT装置保有台数


人口100万人あたりの台数は1位は日本で107台となっています
国民階保険制度による誰でも医療が受けられる
という体制の結果だと思います

CT装置の保有台数ももちろん世界一!

ちなみに
都道府県別でも載ってました⬇️

この結果から
医療被曝は他の国と比べて大きくなる傾向であることは容易に考えられますね

CT検査の被曝線量について

CT以外の被曝する検査にも言える事ですが
医療上必要な放射線利用による被ばく線量には制限がありません
医療においては「その人にとって危険よりも利益の方が大きいと判断できればどれだけ放射線を使ってもよい」とされます

➡️癌や腸閉塞などでこのまま死んでいくか?
➡️多少の被曝はあるが原因を突き止めて治療に繋げるか?

今までは、CT画像だけサーバーに送れば良いとされていましたが
最近は被曝の管理体制が大きく取り上げられる機会が増えたので
画像以外に被曝線量も送らなければならない
とされているので
以前と比べると技師側での照射線量に対する考えも変わってきてる印象です

それでもやはり
気を付ける技師もいれば今まで通りの技師もいるのが事実です
そろそろ被曝線量にある程度の上限を設ける必要があるんじゃないか?とも思いますし
場合によっては免停期間?もアリかな、と
(こうなると、放射線治療を含めるか否か?という話も出てくるので…)

でも、どうしても被曝を避けたい!
という考えの人は
MRIにシフトするのも一つの手です
(脳動脈クリップや心臓ペースメーカー、その他禁忌のものがありますが、これらが体内に存在しない人に限定されてしまいますが)

➡️ペースメーカーについては
最近はMRI対応のものがあります!

“もしも”の事が起こった時にすぐ対応できるように条件(認定施設である必要)があります

放射線感受性について

被曝に対する影響が各臓器毎に違うのは知っていますか?


感受性が高いということは
それだけ放射線に対する影響を受けやすい
ということになります

ですが
ここで残念な内容は
急に癌が出来たとしても
その原因が放射線かどうか?は今までは証明できませんでした

しかし
過去の検査内容や検査回数
そして最近の被曝線量情報をサーバーに送ることによって
ある程度、放射線による被曝が原因だと証明できるようになるかもしれないですね

そのための被曝線量情報だと感じています

確率的影響と確定的影響について

放射線技師の国家試験に必ず出てくる部分です
放射線が人体に与える影響の定義は
大きく分けて二つあります

確率的影響
その名の通り確率論的に体に与える影響が増加していく、という考えです
被曝線量が多ければ多いほど組織へのダメージも比例的に増える
ということになります

それに対して
確定的影響
ある閾値を超えると指数関数的に影響が出る
という考えです
こちらの考えは
一定線量(閾値といいます)を超えるか超えないか
がミソで
閾値を越えなければ害は出ない
という考えで成り立っています

被曝の度合いにより人体に出る影響例です⬇️

CT検査の最新情報

被曝線量が増える1番の原因は
臓器をより細かく診るためです

痩せている人と太っている人とでは
被曝線量が違う
とお話しした事があります

ですが、最近は少ない線量の被曝で
以前と同じかそれ以上の画質を担保できるようになりました
ここで登場するのが逐次近似法という画像再構成方法です(原理は割愛します)

これにより最大で75%の被曝低減が可能
画質も50%増し(ノイズ低減による)

が可能になりました

Canonさんのおかげですね!

詳しくはこちら


結論

【癌ができる】は一部間違いではないですが
細かいところを突くのであれば
放射線被曝はあくまでも要因の一つであり
現在その癌が被曝により出来たという事が証明できない状況です(ある種の場合を除く)

不調を何かのせいにしたい
という不安の現れでもあると思うので
まずは具合が悪くなったら
信頼できる病院の受診をオススメします!

SNSでは不安を煽る内容が多くみられますが
必ずしもそれが正しいという事ではないので
騙されないでしっかり精査することも
必要だと考えます

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