札幌市西区の住宅街で人知れず上流を目指すサクラマス
雨がふって川が濁ると、水中では極端に見通しがきかなくなります。でも、この時期なら期待できるのが、サクラマスの遡上です。
スーパーに地元産のサクラマスが並ぶようになるころ、サクラマスたちは沿岸の海から川に入ってきます。彼らは、雨が降って川の水かさが増すと上流へと向かっていきます。水位が上がれば障害物が水没して上流へのぼれるチャンスが増えるからです。
札幌市西区の住宅街を流れる琴似発寒川でもサクラマスたちが動くのですが、残念なことに、魚道を見つけにくくなるという現象もおきてしまいます。魚道以外のところにも強い流れができて迷い込み、落差工で行手を阻まれます。
観察者にとっては確実に魚体を確認できるチャンス。でも、その魚たちがなすすべもなく落差工に阻まれる姿は残念でなりません(もちろん、魚道を見つけて無事遡上する魚たちもいます)。
ちょっと複雑な気分ですが、この季節の雨は、そのような理由で「楽しみ」でもあるのです。
清里町のサクラの滝が知られているので「あんなふうにのぼれないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。自然にできた落差ならば滝壺があるので、いったん潜って勢いをつけてジャンプするという手もあるのですが、落差工は手前までコンククリート面なので、魚たちは単純に行き止まって引き返すしかありません。
2023年6月3日撮影
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