オビラメの赤ちゃんの泳ぎっぷり
北海道の在来のサケ科の魚たちのうち、秋のサケの産卵を基準とすると、もっとも遅いタイミングで産卵するのが、イトウです。
尻別川水系のイトウ=オビラメも、ゴールデンウィークの前後に産卵、孵化した稚魚たちは、初夏に砂利の中から浮上して川を泳ぎ始めます。
サケ科の稚魚たちは、種によって、泳ぎ方や泳ぐ場所がそれぞれです。イトウの赤ちゃんは、流れが緩い巻き返しでゆるゆるとしているのが定番です。水中に落ちている枝や水面に張り付いた葉っぱなど、何かに寄り添っていることも多いです。
確認できた稚魚も、巻き返しのブッシュの隙間で、まったり泳いでいました。胸鰭の使い方は、どこかで見たことがあると思ったら、まるでトゲウオのよう。
尻別川では、オビラメの会のメンバーのみなさんが、この地域に固有のイトウ(=オビラメ)の復活に向けて、産卵河川の環境の復活や、産卵河川の見守り活動を長年続けてきました。
今回撮影できた稚魚は、そうした人たちの思いや努力の結果として、受け継がれた地域の宝です。
2022年8月6日撮影