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観光客が行かない津別の旅・後篇
林業と農業が基幹産業
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林業は合板、木材、木工芸品の制作が盛んな町です。
農業は畑作が中心でタマネギ・小麦・ビート等で、寒暖の差を活かしたメロンは糖度の高さを誇っています。
ケミチップ湖畔
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津別の町は86%は森林が占めており、森林セラピー基地に認定されています。
ケミチップ湖畔には野鳥公園・樹林園が設置され、キャンプ場やホテルを備え、湖の南岸端から約200mのところに鹿鳴の滝があります。
また、21世紀の森にもキャンプ場・スポーツ施設・研修施設が整備されており、木材工芸館には吹き抜け空間に森が再現されています。
「何もありませんよ」と言われますが、とんでもない「素晴らしい町」です。
相生線(あいおいせん)
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石北本線の美幌駅から網走川に沿って遡上し、津別町北見相生までの36.8キロの国鉄が運営した地方線です。
開業時の運行は一日三往復で所要時間は1時間34分でした。
もともと、相生線は美幌駅と根室本線の釧路駅を結ぶ「釧美線(せんびせん)」の一部として計画されていました。
大正12年3月に美幌ー津別間の工事がはじまり、大正13年11月に開通しました。次いで津別ー北見相生間に着手し、大正14年11月に開通。
鉄道の開通によって、各地に集落が形成されていきます。
マッチの軸木としての白楊材や鉄道の枕木材などの切り出しなど、大規模な木材の生産地として知られるようになりました。
しかし、住民にとっては美幌ー釧路間の部分開通にすぎませんでした。
地図で見ても分かりますが、北見相生駅があった場所は現在「道の駅あいおい」になっています。
国道240号線を美幌から阿寒湖方面に向かって走るとありますが、この国道をもう少し走ると阿寒湖に到着です。
釧路まで繋がることを夢見ていた人たちにとっては残念至極だったでしょう。
更に、池田ー陸別ー網走間の網走線は、当初陸別ー津別ー美幌を経由する計画でした。それが「野付牛(北見)」を経由しない鉄道は野付牛開発を省みないもの」との住民運動で変更となりました。今度は美幌側の再三の陳情請願で、美幌側の北側をわずかに湾曲して敷設されました。
このような経緯がある相生線でしたが、1980年(昭和55年)の日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)施行により、翌年9月に第1次特定地方交通線に指定され、1985年(昭和60年)4月1日に全線が廃止となりました。
道の駅あいおい
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「道の駅あいおい」は市街地から30分ほど南下するとあります。もう少し走ると阿寒です。
木の町らしく、樹木に「出生記念」のカードが下がっている樹がたくさん並んでいます。記念樹の公園になっており、子どもたちが大きくなって訪れる楽しみがあります。
ここにしかない素晴らしい観光施設なのです。
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