北海道のむかし話32 然別湖の主
然別湖(しかりべつこ)の主
昔、この土地(現在の鹿追町)に住む狩人が大熊を見つけ追って行くと、熊は湖に飛び込んで泳いでいった。
仕方なく、ぼんやりと見ていると、湖の中ほどまで泳いでいった熊が、急にあばれたかと思うとブクブクと沈んでいたった。
不思議に思い舟を出して見に行くと、大きなイトウが大熊の片手を口から出して死んでおった。
イトウの大きさは六十メートルもあったという。
このイトウは然別湖の主であると古老がつたえている。
更科源蔵 アイヌ伝説より
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