観光客が行かない小平町の旅・前編
観光客が行かない「小平町」の旅 人口2,763人 (令和6年3月)
小平蘂山(おびらしべやま)
小平蘂山は天塩山地主稜線のひとつで、小平町と幌加内町の境界に位置する標高877.7mの山です。
小平町はこだいらと読まずにおびらと言います。
この由来はアイヌ語の「オピラシペツ」で、「河口に崖のある川」という意味になっています。
留萌市から国道232号を北上していくと「道の駅おびら鰊番屋」があります。日本海のニシンは江差町を北上し、積丹半島も通り越し、とうとう留萌の北にある鬼鹿(おにしか)海岸まで来ていました。
札幌と稚内のほぼ中間に位置し、日本海オロロンラインの休憩ポイントとして絶好の環境にあります。
道の駅に隣接して、幻の魚「鰊」がのこした日本最北端の重要文化財「旧花田番屋」です。
明治38年に建てられた道内最大規模の鰊番屋で、全盛期には200人のヤン衆がひしめき合いニシンの群来を待ち構えていました。
広い板敷きの居間には囲炉裏が3つも切られ、やん衆はここで食事をし、居間をL字型に囲む階段状の寝床で休みました。
やん衆は道南や青森、秋田、岩手の東北3県から親方に率いられてやって来て、群来がくれば銀行員の月給の倍近く稼いだといいます。
留萌の佐賀番屋、苫前の岡田屋ニシン番屋、小平市鬼鹿の花田家番屋は、北海道遺産「北海道のニシン街道」と称し、そのうち旧花田家番屋は日本最北の位置する国指定重要文化財に指定されています。
鬼鹿(おにしか)海岸は明治から大正にかけて、鰊の千石場所でした。