介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる 連載第16回 「面接技術9ポイント」
こんにちは。ラボ事務局の杉田です。
今週もラボ代表及川による「介護新聞」連載企画（第16回）をお届けいたします。
第16回のテーマは「面接技術9ポイント」です。
前回記事に引き続き、面接がテーマです。
第15回の記事では面接に対する考え方や気をつける点について言及していましたが、今回は、では具体的にどういう面接を行えばいいか、について9つのポイントにまとめてお伝えしています。
大切なことは、面接の目的をはっきりさせておくことです。当たり障りのない質問会をして終わりにさせず「自社を理解してもらい、好きになってもらう場」として経営者自身が熱量をもって面接を行うことが何より大切です。
とはいえそんな面接行なったことがないと困惑されることもあるかと思います。その場合は実践に入る前に一度「面接の練習」を行なっていただければ良いでしょう。ぜひ、本記事で紹介している面接の極意を一つでも活用いただけますと幸いです。
今回は面接の技術として使える9つのポイントをお伝えいたします。
1つ目はアイスブレイクです。緊張をほぐすための時間のことを言います。「今日は暑いですね。駅から遠かったでしょう」など天気や交通状況などを話題にして和やかな雰囲気を作りましょう。3分くらいで構いません。
2つ目は面接の流れと所要時間を2分ほどで説明すること。「当事業所の面接は、私(面接官)自身も自己紹介をさせていただき、お互いのビジョンを語り合い、マッチするかを見させてもらっています」という風に、面接方法を具体的に伝えましょう。
3つ目は面接官の自己紹介です。大半の企業は面接官の情報を全く開示しないのではないでしょうか。 応募者が履歴から内面まで開示しているのに、面接する側は「名前すらも「言わない」というのは、不公平ではないでしょうか？面接には相互理解で雇用のミスマッチを防ぐ目的もあります。面接官側もしっか自己開示をするようにしましょう。
4つ目は会社理念と募集背景の説明です。会社理念といっても大げさなものではなく、「代表者の考え方・目標」といったものでも構いません。大事なのは「応募者が共感するか？」を判断すること。その上で「仕事内容」「募集背景」などを説明し、相互理解を深めましょう。所要時間は10分が目途。3つ目と合わせて20分~30分を見ておきましょう。
5つ目は応募者が会社や募集背景を理解したかを確認すること。この段階で「当事業所の仕事やスタンスについて、何か聞きたいことはありますか？」と質問を投げかけましょう。応募者の「質問力」も見ることができます。時間は5分程度で構いません。
6つ目は事業所に貢献できる理由を聞くこと。中途採用であれば今までの経験を職務にどう生かすのか、未経験や新卒採用の場合「やる気」を確認しましょう。所要時間は5分が目安となります。
7つ目は応募者のビジョンや目標を確認します。転職理由についても聞いてみましょう。中途採用者の場合、転職マニュアルに載っているような答えが返ってくるかもしれません。「共通の価値観を持っているか？」を知る大事なフェーズとなりますので、抽象的な答えには具体的に深掘りしましょう。肝心な部分ですので、しっかり時間をかけて構いません。
8つ目は履歴書・職務経歴書で気になった点を確認します。「長期間のブランクがある」「転職回数が多い」などは理由を確認しましょう。中小企業の場合、「転職回数が5回以上の応募者」も少なくないでしょう。転職の全てにツッコミをいれると、相手によっては「圧迫された」と感じる可能性もあります。「転職回数が多いからダメ」と決めつけるのではなく、直近の転職経緯だけ聞くといった対応を取り「採用側として納得できるかどうか」を検討しましょう。ここが長いと圧迫面接的になるので、所要時間は5分にとどめます。
最後は採用したい応募者とのビジョン共有です。このフェーズは「ぜひ採用したい！」と思った応募者への対応となります。改めて応募者の夢やビジョンを持ち出した上で「当事業所なら、○○さんの××といったビジョンの実現を目指せる環境があります。ぜひ一緒にその目標に向かって頑張りましょう！」と熱く言い切りましょう。ポイントは、「熱く語って、断定形で言い切る」こと。心理学には「人間は一番盛り上がった時と最後しか覚えていない」ピークエンドの法則があります。だからこそ、面接の最終盤に応募者の夢を改めてクローズアップし、「自社で一緒に頑張ってほしい！」と、くどくことが重要になってきます。
以上が「応募者をファンにする面接の流れ」となります。この流れを事前にまとめた上で面接に望んでみてください。意外に熱く語ってしまうかもしれません。
http://wwu.phoenix-c.or.jp/~medim/kaigo/2023/202305kaigo/kaigo20230519.html
今週もご訪問いただきありがとうございました！
また次回、第17回の記事でお会いしましょう！
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