岩内町で余生を過ごす馬たち
輝かしい活躍をした競走馬や乗用馬。
表舞台を去り、引退した彼らがどうなるかご存じでしょうか・・・?
現役を引退した馬を、全て生存させる事は不可能であり、処分せざるをえないのが現実です。そのような馬を1頭でも減らし、馬に寄り添い幸せな余生を過ごさせるため、ホーストラスト北海道は活動しています。
適正な生活環境で飼養管理することはもちろん、馬を信頼し、草と土と林を守り、自然の中で人と馬がふれあえる環境を作ることによって、子どもたちへの命の教育、人と動物の共存のあり方など社会教育を推進しています。
また、地域とのコミュニケーションをはかり、まちづくりの発展に寄与しています。
ホーストラスト北海道
現在(2023.8月)47頭の馬たちが暮らしており。
5名のスタッフで経営しています。
ホーストラスト北海道SNSアカウント(Facebook)
ホーストラスト北海道Q&A
スタッフの土舘さんよりお話をお伺いしました。
Q:馬たちはどのような経緯でホーストラスト北海道にやってきますか?
A:競走馬や乗馬を引退して行き場に困っている馬たちがここに来ます。現役を引退する馬はたくさんいてうちに面倒を見て欲しいというお話は多いです。スポンサーを募りお世話をしています。
Q:スポンサーになると馬に会うことができるのですか?
A:はい。他の牧場では餌やりや触ったりすることができなかったりするところが多いですがうちの牧場は柵の中に入って触れたり、餌をあげたり、写真を撮ったりする事もできます。
Q:引退馬が多いとの事ですが馬は何歳くらいで引退になるのですか?
A:20歳~25歳くらいでうちに来る子達が多いです。年齢で引退するだけでなく怪我で引退する馬もいます。最年長は33歳です。
Q:50頭近い馬たちのお世話を5名のスタッフでお世話をするのはとても大変そうです。1日のスケジュールを教えて下さい。
A:朝6時から出社しています。馬房の掃除、餌やり、馬たちのお手入れなどを午前中に終わらせます。午後からは共和町にも牧場があるので同じ作業をします。16時半勤務終了です。
Q:馬たちは普段どのように過ごしていますか?
A:目が悪かったり、足が悪かったりする馬以外は、基本的に放牧で過ごしています。好きな時にお外に出たり馬房に戻ったりしています。放牧は馬たちが伸び伸びと暮らせるメリットもありますが馬房の掃除、管理も楽になるので少ないスタッフでも運営できています。
Q:土舘さんがホーストラスト北海道で働く事になったきっかけは?
A:もともと道外に住んでいました。競馬場でアルバイトをしていましたが本格的に大好きな馬に携わるお仕事がしたいと思い、お仕事を探していたところホーストラスト北海道の代表(酒井さん)と知り合い北海道へ移住しました。始めはニセコの観光乗馬のお仕事をしていましたが現役を引退した馬たちの余生問題を解決するために2009年にホーストラスト北海道が設立され今に至ります。
Q:こちらは亡くなった馬たちのお墓ですか?
A:はい。北海道は雪が積もるので冬に来られるスポンサーの皆様のため建物内にお墓を作りました。今まで亡くなった馬たちの写真です。
Q:ふるさと納税の寄付金はどのように使われますか?
A:柵や厩舎(きゅうしゃ)を直すための木材、材料などの購入や放牧のための草地をひろげるために使いたいと思っています。