見出し画像

アラン・ドロンと甲南朝日

 アラン・ドロンが88歳で鬼籍に入った。

 二枚目で、とにかく格好良かった。

 1970年代後半の高校時代に「甲南朝日」という名画座の映画館で、彼の主演映画がよく上映されていた。

 館主の方が好きだったのだろう。

 彼の主演映画で観た16本中5本を、この映画館で観ていた。

 特に印象に残っているのが「高校教師」。

 くたびれた中年の教師役だったけど、男の色気があふれていた。

 何の役でも、何をしても、アラン・ドロンって格好良いなぁと感じ入った。

 また、このサウンドトラックがメイナード・ファーガソンだった。

 北イタリアの港町の寂れた風景に、高音のトランペット・ソロの朗々たる響きがとてもマッチしていた。

 後日、映画好きの友人が「アラン・ドロンのイチモツが『高校教師』で映っていて、物凄くデカかったらしい」というとても怪しい情報を教えてくれた。

 確かにそんなシーンもあったが、当然モザイクが入っていた。

 当時の情報は、印刷物と口コミが中心。

 その情報の裏を取る術は私にはなかった。

 だから、信じるしかなかった。

 当時、「天は、選んだ人に二物も三物も与えて、スーパースターにするんだなぁ」と妙に感心したのを覚えている。

 映画のみならず、女性関係もすごかった。

 そんな彼のスーパースターぶりをずっと見てこれたのは幸せだった。

 アラン・ドロンよ、永遠なれ。
                 <了>