【2ー34限目】「保険で貯蓄」のカラクリとリスク
貯蓄タイプの保険っていうのは、「終身保険」「養老保険」「学資保険」「個人年金保険」とかね。
さて、
貯蓄できて、亡くなっても死亡保険金を受け取れるって、保険会社は損するんじゃない?
って質問をよく受ける。
なんで保険会社はこんなことができるのか?というと・・・
1.預かったお金を運用して、得た収益でカバーしてるから
【1−10限目】保険会社が“金融業界”である理由
を参考にしてね。
2.お客さんとの接点が欲しいから
保険の営業さんからすると、損しないイメージがある貯蓄タイプの保険の方が売りやすい。
保険会社としては、まず貯蓄タイプの保険で接点持って、儲かりやすい保険を売りたいって思っている。
ちなみに、接点作りのための商品を業界用語で「ドアノック商品」っていうで。
(しかも営業さんは、保険料収入が給料に影響することが多いから、貯蓄タイプの保険でドカッと保険料がほしい)
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さて、
「貯蓄タイプの保険、ええやん!」
と思っているあなたに、大きなリスクを1つ伝えるね。
保険で貯蓄すると、
長期間、家計の支出がロックされるで
保険料の払込期間中(「60歳まで」とか「20年間」とか)、「やっぱや~めた」は損するよ。
はたして、そのリスクを背負う価値があるのかどうか。
ちょっと、この図を見てね。
予定利率とは、生命保険会社が商品を作る上で、あらかじめ見込んでいる運用利回りのこと。
予定利率が高ければ高いほど、それだけ割り引かれた保険料で商品を作るんやで。
例えば、予定利率が高かった1990年ごろには
「60歳まで240万円払い込んだら、その後600万円受け取れるよ(戻り率250%!)」
みたいな個人年金保険とかあったんだよ。
ところがもう、この歴史的な超低金利のこのご時世。
保険会社は運用益が見込めない・・・
いまの貯蓄タイプの保険は、払い込んだ保険料に対して、受け取るお金が「微増」か「とんとん」。
残念ながら、「銀行に預けてもお金増えないなか、30年後に戻り率110%ですよ!」と宣伝するレベルなんよね。
将来、
利回りの良い商品が出るかもしれない。
iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAで積立したいと思うかもしれない。
収入が下がって、保険料の支払いが負担になるかもしれない。
そういうときに、選択の足かせになってしまうかも。
よ~く検討してな~
次の講座は、
【2ー35限目】おばあちゃん世代はなんで「学資保険入りや~」って言うの?
やで~