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法人保険の福利厚生プランについて解説

法人保険での節税にはさまざまな改正があり、なかなか節税を行うのが困難な状況になってきました。
そんな中でもまだ活用でき、非常に効果を発揮しているものが福利厚生プランです。
今回は福利厚生プランをご紹介したうえで、401kや中小企業退職金共済との比較も行っていきたいと思います。


福利厚生プランとは


福利厚生プランとは養老保険を活用したスキームになります。
下記のような保険を作ることによって保険の資産計上50%、損金計上50%にすることができます。

契約者 │ 法人
被保険者 │ 役員・従業員全員
死亡保険受取人 │ 役員・従業員の遺族
生存保険金の受取人 │ 法人

福利厚生プランで保険料100万円のケースの会計処理イメージは下記になります。

借方 │ 貸方
保険料積立金50万円・福利厚生費50万円 │ 現金・預金100万円

実際にはお金が積み立っているもののそのお金が損金になることによって税制上のメリットがあるというスキームになります。
イメージとしては従業員の退職金積立や死亡弔慰金の福利厚生を行うといったことが目的となります。

従業員の死亡時には死亡保険金を遺族に支払い、①保険料積立金に関しては雑損にて計上を行います。
②満期金を受け取った場合には保険料積立金と雑収入が入ってきたものとして形状を行います。

借方 │ 貸方
雑損失200万円 │ 保険料積立金200万円
①の例:死亡保険金:200万円 保険料積立金:200万円のケース
借方 │ 貸方
現金・預金1000万円・保険料積立金500万円 │ 雑収入500万円
②の例:満期保険金:1000万円 保険料積立金:500万円のケース

③従業員の退職や福利厚生の変更等により解約返戻金を受け取った場合には保険料積立金と解約返戻金の差額を雑収入もしくは雑損失として計上します。

借方 │ 貸方
現金500万円・ 保険料積立金300万円 │ 雑収入200万円
③の例:解約返戻金500万円、保険料積立金300万円のケース


福利厚生プランのメリット


福利厚生プランのメリットは従業員の福利厚生を整えながら法人税を下げられることです。
会社で満期金を受け取った場合には益金が発生しますが、益金が発生したものを退職金の支払いを行って損金算入できるので急な退職金支出を回避することができます。
また、会社の財務状況が悪化した際には解約をして保険料を取り戻したり事業経費に充てたりすることも可能です。


福利厚生プランのデメリット


福利厚生プランは基本的に従業員の福利厚生目的という文言のため、退職金積立どころではない会社の経営危機にしか解約を行えません。
基本的には従業員の退職金の目的ということを忘れてはいけません。

また、退職者が多い企業の場合には福利厚生プランを利用してもメリットが出ません。
理由としては保険の解約返戻金は契約当初低く設定されているため、早期退職に備えることができないからです。


401kや中小企業退職金共済との違い


401k(企業型DC)の場合には掛け金を全額損金にできることから節税効率が非常に高いことが魅力的です。
投資信託を購入して積み立てるため、従業員側の退職金の運用利回りを狙う効果も期待できます。

一方で一度支払ったお金に関しては戻すことができうえ、従業員が60歳になるまで一切引き出せないということに注意が必要です。

また、中小企業退職金共済の場合は最初の1年間は掛け金の半分を国が補助してくれるため導入がしやすいというメリットがあります。
掛け金を納付し始めて3年7か月以上経過すると掛け金納付額を上回る退職金が支払われるというメリットもあります。
一方でやはり早期退職の際には損失が出てしまいますし、
掛け金の減額の際には従業員の同意が必要となります。
そのため、経営危機の悪化に備えることは非常に難しくなります。

法人の福利厚生を考えるのは非常に悩ましい問題です。
専門家であるファイナンシャルプランナーへの相談を行って安心して検討できる環境を作るとよいでしょう。

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