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『当院緩和ケア外来における意思決定支援』【#在宅医療研究会 オンライン(46)|4月度開催レポート】
第46回となる在宅医療研究会オンラインは、「当院緩和ケア外来における意思決定支援」とのタイトルで、王子生協病院 緩和ケア病棟 大澤岳史先生をゲストにお招きし、お話いただきました。
「当院緩和ケア外来における意思決定支援」では、王子生協病院の緩和ケア外来における患者や家族への意思決定支援の具体的な取り組みが解説されました。患者中心の治療選択支援、多職種連携による包括的ケア、家族の心理的サポートを通じて、終末期医療における質の向上が目指されています。また、小規模病院が抱える課題とその解決策についても具体的に示されました。
緩和ケア外来の特徴
病院の背景
王子生協病院は慢性疾患を中心に扱う小規模病院で、独立した形で緩和ケア病棟を運営。
都内では大規模病院の一部として運営される緩和ケア病棟が多い中、地域に密着した独自の取り組みを展開。
外来での取り組み
患者と家族の意思決定を支えるための個別対応。
身体症状の緩和と心理的サポートの両面を重視。
意思決定支援の具体例
治療選択の支援
個別相談の場の設定
外来において、患者が自分の病状や治療方針を理解しやすい環境を整備。
治療の選択肢(例:抗がん剤治療 vs 緩和ケア)について、利点とリスクを丁寧に説明。
具体例
進行がん患者が化学療法を続けるべきか、緩和ケアに専念するべきか迷ったケースでは、過去の患者の事例や、治療の予測結果を可視化した資料を活用して支援。
家族への支援
心理的負担への対応
家族が抱える罪悪感や葛藤(例:「治療を続けるべきか」「自然な最期を選ぶべきか」)に対して、心理カウンセラーが個別に面談を実施。
具体例
患者本人が意思表示できない場合、家族に医療チームと合同で意思決定を支援する「家族会議」を開催。
特に在宅ケアを希望する家族には、訪問医療や支援サービスについて詳細な情報を提供。
多職種連携
チーム医療の具体的な運用
医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーが患者ごとのケースを共有し、最適なケアプランを作成。
心理カウンセラーが治療選択に伴う不安や葛藤に対応。
具体例
症状が急激に悪化した患者について、早急にチーム全体で計画を再調整し、即時訪問看護を導入。
医療従事者が直面する課題
患者の多様なニーズへの対応
文化的背景の違い
外国人患者や宗教的価値観を持つ患者に対して、治療選択や終末期医療の進め方を柔軟に対応。
具体例
病状や治療に関する説明を多言語で提供する取り組みを開始。
宗教的理由で特定の治療を拒否する患者には、代替案を医療チームで検討。
時間的・人員的制約
小規模病院特有の問題
限られたスタッフ数で多様な業務をこなす必要があり、負担が大きい。
解決策の具体例
ICT(情報通信技術)を活用した患者データの共有で効率化。
訪問看護や地域ケアスタッフとの業務分担を強化し、リソースを補完。
意思決定支援の複雑化
複雑な症例への対応
治療と緩和ケアの選択が複雑化する中、医療従事者が意思決定支援に長時間を要するケースが増加。
解決策
ガイドラインに基づく意思決定フレームワークを作成し、支援の標準化を図る。
新たな展望
ICTを活用した意思決定支援
遠隔相談やオンライン面談を導入し、患者・家族が自宅から意思決定支援を受けられる体制を整備。
地域連携の強化
地域の在宅医療機関やホスピスとネットワークを構築し、患者に多様な選択肢を提供。
全体のまとめ
本講演では、緩和ケア外来が患者や家族にどのように意思決定支援を提供しているかが詳細に説明されました。個別相談、家族会議、多職種連携を通じて、患者中心の治療選択を実現する取り組みが強調されました。小規模病院特有の課題に対しては、ICTの活用や地域連携を通じた解決策が提案され、持続可能な緩和ケア提供の方向性が示されました。
※本レポートはChatGPTを活用して要約を作成しております。
※ぜひ詳細は「在研プラス」にてご視聴くださいませ。
今後の予定につきましては下記リンクよりご確認ください。
医療職・介護職・福祉職の方であればどなたでもご参加いただけます。