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『睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気? ~たかがいびき、されどいびき~』【#在宅医療研究会 オンライン(48)|6月度開催レポート】
第48回となる在宅医療研究会オンラインは、「睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気? ~たかがいびき、されどいびき~」とのタイトルで、福永興壱先生(慶應義塾大学病院 副院長、呼吸器内科教授)をゲストにお招きし、お話いただきました。
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、いびきや無呼吸が健康や社会生活に大きな影響を及ぼす病気です。この講義では、SASの特徴や原因、リスク要因に加え、心血管疾患や代謝異常など多くの疾患を引き起こす危険性について詳しく解説されました。また、診断方法や治療法についても具体的な事例を交えながら説明され、生活習慣の改善や治療の重要性が強調されました。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の概要
病気の特徴
SASは、睡眠中に気道が閉塞し、呼吸が断続的に止まる病気。
主な症状として、慢性的ないびき、呼吸停止時の窒息感、大きな呼吸音、日中の過剰な眠気。
健康への影響と関連疾患
心血管疾患リスク
血中酸素濃度の低下と頻繁な覚醒により、高血圧、冠動脈疾患、心不全、心房細動、脳卒中などのリスクが大幅に増加。
代謝異常
インスリン抵抗性が高まり、2型糖尿病の発症率が上昇。
神経疾患リスク
睡眠の質が低下し、記憶力や集中力の低下、うつ病や認知症のリスク増加。
免疫系への影響
睡眠不足や断続的な呼吸停止により、免疫力の低下、慢性炎症の進行が確認されている。
交通事故のリスク
日中の強い眠気により、運転中の集中力が低下し、交通事故発生率が高まる。
リスク要因と罹患する人の特徴
身体的要因
肥満(特に首周りの脂肪が気道を圧迫)。
気道の狭窄(小顎症、扁桃肥大などの解剖学的要因)。
生活習慣と環境要因
喫煙、過剰なアルコール摂取、睡眠薬の使用がリスクを増加させる。
加齢とともに罹患率が増加し、特に男性に多い。
診断と治療法
診断方法
簡易検査(ポータブルモニタリング)や精密検査(睡眠ポリグラフ検査、PSG)。
診断指標:無呼吸低呼吸指数(AHI)が重要。
治療法
生活習慣の改善
減量、禁煙、横向きでの睡眠を推奨。
機器を使用した治療
CPAP(持続的陽圧呼吸療法):気道閉塞を防ぐ最も効果的な治療法。
マウスピース:軽度のSASに有効。
外科的治療
扁桃腺摘出や鼻中隔矯正手術など、解剖学的要因を改善する手術。
新たな展望と注意点
新しい治療法の研究
AIを活用した患者特化型治療法の開発や、簡便な家庭用モニタリングデバイスの普及が期待されている。
予防と啓発の重要性
SASはしばしば軽視されるが、早期診断と治療が多くの合併症を予防する鍵。
医療従事者だけでなく、一般の方への啓発が重要。
全体のまとめ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、いびきや日中の眠気という表面的な症状だけでなく、高血圧や心疾患、糖尿病、認知症などの深刻な疾患を引き起こすリスクがある病気です。この講義では、SASの診断と治療法の重要性に加え、関連する疾患の予防が生活の質(QOL)を向上させる鍵であることが示されました。早期発見と適切な治療が、個人の健康と社会的なリスク低減に大きく貢献します。
※本レポートはChatGPTを活用して要約を作成しております。
※ぜひ詳細は「在研プラス」にてご視聴くださいませ。
今後の予定につきましては下記リンクよりご確認ください。
医療職・介護職・福祉職の方であればどなたでもご参加いただけます。