20210307
何処までもいけると思ってた、何処へでもいけると、何にだってなれて、何だってできると、思っていたいつかの春のぼくたちへ
すべて投げ出してそのころのぼくたちに会いに行って、鏡の中のぼくたちとは違うぼくたちをみて笑おうよ
春がきたらドライブにいこうよ、誰も見向きもしない公園の桜の下でお花見をして、きみが作ったサンドイッチを食べて、桜の花びらを拾ってメダカの水槽に桜を降らせるんだ
ふわふわの天然パーマのひととすれ違うたび、きみかと思って見つめてしまう、丈の短い上着をきたかわいいひとも、きみだったりしないかと期待する、まるでルビーの指環だな
きみの夢を見た日の朝は泣きたくなるくらい幸せになってしまうんだ、そのあと、そんな夢なら見なきゃよかったと、涙が止まらなくなる
きみはもう何処にもいないし、いつかの春のぼくも何処にもいないから
春がきたら、桜を見に行こうよ、ねえ、返事をしてよ