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【遊び稽古】乞食の技術


俳優たちの遊び稽古(訓練)として提案する

【遊びのルール】
・有り体に言えば、乞食をすること

・それぞれのプレイヤーがどこかで、ぼけーっと座っているでもよし、立っているでもよし、何か変わったことをするでもよし、とにかくその場に居ること。

・そして自分の前、よく見えるところに、お金を入れる為の容器(これもなんでも良い)を用意しておくこと。

・制限時間を決めて、より他人からお金を集められたプレイヤーが勝利する。

・プレイヤーは1人でも、徒党を組んでチーム対抗戦にしても良い。

・より沢山のお金を集めるにはどうしたら良いか工夫することが勝利の鍵。

以上。


この提案は
阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男-伝説とその世界-』
より、以下箇所を基に着想した。

乞食とは中世キリスト教社会ではポジティブな身分であって、現代のように遠慮がちなネガティブな地位には立っていなかった。マシュケ教授によると、乞食は貧民と違って一つの職業として認められた人々であって、専門的職業知識を必要とし、あらゆるトリックを使って同情をひくことを仕事としていた。ボッシュの描く「乞食の様々なトリック」をみると、乞食がまさに立派な「芸術」であり、大変な努力と才能を必要としたことが納得できる。

阿部謹也,『ハーメルンの笛吹き男-伝説とその世界-』,ちくま文庫,1988,129頁


ヒエロニムス・ボス『乞食の様々なトリック』


人前でパフォーマンスを行い金をもらう訓練として、河原者と貶された我々の先達に通じる形で、この遊びがなにか仕事をするかもしれません。

俳優仲間でやってみると楽しいかも。
やってみた結果起こった問題に関して、一切責任は負いません。

是非一度ご検討ください。

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