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♪愛するあなたのため
毎日橋を渡るのよ♪
そんな劇中歌が流れるホラー映画を、ホーチミン市で見てきました!
映画のタイトルは『Cám』。学生の皆さんにはおなじみの昔話『Tấm Cám』が下敷きとなっています。Tấm Cámの映画といえば2016年にファンタジーアクション『フェアリーオブキングダム』がありましたが、2024年はホラーとなって登場。主人公のCámを演じるのは、黄色い花が咲く草原に立たせたい女の子No. 1からもう9年、立派な大人の女性になったあの子です。
昔々あるところに、ある裕福な家族がいました。家族には娘が2人。気立てがよく見た目もかわいらしい姉のTấmは父親にもそして継母にも愛されていましたが、妹のCámは、顔半分がただれ崩れているために両親はおろか使用人や村人にも疎まれるという不遇の毎日を送っていました。でも姉のTấmだけはいつも Cámをかばい勇気づけ、姉妹は仲良く暮らしていたのです。
そんなある日、Bởmという少年が使用人としてやってきました。他の使用人がCámに不快感を表すなか、彼は顔をぐっと近づけて「おれんとこの村にはもっと醜い人がいくらでもいる」と微笑み、以来2人は距離を縮めていきます。姉の優しさとBởmの愛情に支えられ、Cámはなんとか日々を過ごしていましたが、それだけではどうにもならない恨みつらみが彼女の心を少しずつ壊していくのでした。
一方でこの家族には、父親だけが知る世にも恐ろしい秘密がありました。それは何百年も前、村を襲った化け物と先祖が交わした契約。化け物は言いました。10年に1度、ある儀式を行えば、村の平穏と貴様の家の繁栄を約束してやると。その儀式とはいったい何か。そしてそれは、心が壊れていくCámとどう関係するのか。Tấmには影響があるのかなど、原作との違いを楽しみながら観てみてください。そうそう、R13指定で、なかなかにグロいシーンも出てきますのでご注意を!
さて、ここからは感想を。若干ネタバレもありますがご容赦ください。
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スプラッター系ホラーなので、おぇぇぇっていう箇所もあるものの、「米と籾を分ける作業」が力技過ぎるとかほっこりする場面もあったりと、緩急織り交ぜた演出。2時間と聞いてちょっと腰が引けてたんですが、飽きることなくそして気持ち悪くなることもなく鑑賞できました。
黄色い彼女(省略しすぎ笑)はさすがの演技力。恨みつらみは重なるけれどそれでも人を信じたいという悲哀が伝わってきます。怖い存在にメタモルフォーゼしてから元の純粋さが出てこようとしては抑えられてしまうシーンはマジで心が痛くなります。
対するTấm役の彼女は、なんといっても見た目が最上級にかわいい(2016年のミスベトナム)!それに加えて、Cámをかばって父親に意見するキリッとした表情とか最後の方のヴァンプな表情とかもう、心を奪われまくりでした。そういうのでけっこうお腹いっぱい状態だったので、全裸まではいらんかったな…
劇中歌についてですが、要所要所で流れるため、思わず口ずさんでしまいそうになり慌てるというレアな経験ができます。しかもエンドロールでは転調してまで聴かせにかかってくるのでご注意ください。
最後に鑑賞時の状況について少し。
どんだけ混んでるかと心配していたんですが、スタート時刻になっても部屋には私と同行の友人だけ。部屋を間違えたんじゃないかと不安にかられた友人は、掃除のおばちゃんに確認しに行ってました。その後パラパラと観客が入ってきたものの、結局私たちの列(おすすめの席列)が埋まっただけで上演開始。後ろから蹴られたり前の頭が動きまくってウザいとかいうこともなく快適に鑑賞できたのはよかったけど、こんな集客状態で大丈夫なのかといらんことを考えてしまったじゃないの…たぶんお昼前だったから人少なかったんだよね…夜はいっぱいだよねきっと…
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以上、ホラー映画は大の苦手なのに劇場の大画面と大音量で観てしまったという、広報担当13期生の今田がお伝えしました。ではまた!