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ヴェロニカの薔薇(3人用)リプレイ


ホイテロート(以下GM)「はいそれではドキ☆初心者だらけのインセイン卓、やっていきましょう。今回皆さんにプレイして頂くシナリオはGMの手作りのこちらです。まずは今回予告をどうぞ」

【今回予告】
『1901年、6月8日。
 ドイツの片田舎の町で、奇妙な事件が起こった。その町一番の屋敷に住む少女が、教会の墓地で何者かに殺されてしまったのだ。
痛ましい事件だが、そこまではただの普遍的な殺人事件。しかし、奇妙なのは此処から。
なんとその翌日、警察が来るまで教会に安置された遺体は、その場所から忽然と消えていたのだ。唯一の出入り口の扉は、およそ人間の業とは思えぬ亀裂を残し壊されていた。
少女の遺体はどこへ消えたのか。少女を殺したのは誰なのか。
町の住人達は、「10年前に殺されたヴェロニカ・アイゼンシュタットの仕業だ」と噂しているが、果たして――

インセインシナリオ【ヴェロニカの薔薇】』

GM「はい、というわけです。こちらの【ヴェロニカの薔薇】は元々4人用なのですが、今回はプレイ人数が3人ということで3人用に書き直したシナリオになります。なお、中身も『かまいたちの夜』ばりに変えてきているから4人用経験者の前PL1と前PL2も安心して見学してってね」
ボブ(前PL1)「いえーーい!!」
傘子(前PL2)「やっふーー!!」
GM「はい、では今回のPLの皆さんにPC紹介をしてもらいましょう。まずはPL1から、HO紹介後キャラ紹介お願いします」
きぃや(PL1)「はーい。きぃやです、よろしくお願いします。インセインどころかTRPGの経験自体あんまり無いです。PC1をやらせて頂きます。HOはこれです」
『PC1 HO
あなたは、この町に住む実業家 ディーデリヒ・アイゼンシュタットに依頼され、ベルリンからやって来た探偵だ。
この町では一週間前、コルネリアという少女が殺され、発見された後に遺体が消えたという怪事件が起こった。コルネリアはディーデリヒの姪であり、彼は今回の事件に深い悲しみを抱いている。
ディーデリヒとあなたは旧知の仲だ。彼の願いに、あなたは探偵として、応えるしかないだろう。
あなたの使命は「事件の犯人を突き止め、コルネリアの遺体を見つけ出すこと」である。』
GM「はい。PC1は探偵です」
ボブ「HOと表の使命は4人用と変わらないんだね」
GM「そうです。でも秘密はまるっきり別モノとなっています」
ボブ「見学には全部見せてくれても良いんじゃない?ん?」
GM「ボブと傘子さんは自分がやったPCと同じ番号の人の秘密だけ見て良いよ」
傘子「やったー!」
ボブ「全部見せろ!こっちは(元)探偵だぞ!」
GM「はいはい、あとで全部わかるよ。きぃやさんPC紹介どうぞ」
きぃや「はーい。キャラクター名は【キーガン・クロイツァー】。32歳 男性。ベルリンに事務所構える探偵です。独身です」
GM「立ち絵エロい」
ボブ「黒髪長髪美男エロい」
きぃや「エロいやろ」
きぃや「特技は<破壊><恨み><におい><第六感><数学><魔術>。好奇心は『技術』。恐怖心は<霊魂>です。怪異分野に特技持っているので正気度は5です。」
GM「好奇心分野に特技振っていないのですが、敢えてそうしたとのことなのでGMが許可しました。もしルルブに『特技振ってない分野に好奇心とるなやカス』って書いてあったら教えて下さい、GMが腹を切ってお詫びします」
ボブ「冨岡義勇じゃん」
きぃや「アビリティは“目星”と“誘惑”を選択。この身ひとつで情報を集め、様々な事件を解決してきました(意味深)」
傘子「やば…」
きぃや「よろしくお願いしまーす」
GM「はーい、よろしくお願いします。では次、憂悸ちゃん」
憂悸(PL2)「憂悸です、よろしくお願いします。インセインは動画で視聴してたので今回楽しみにしていました!PC2をやらせて頂きます」
『PC2 HO
あなたは、この町に住む実業家 ディーデリヒ・アイゼンシュタットの実子である。
この町では一週間前、コルネリアという少女が殺され、発見された後に遺体が消えたという怪事件が起こった。コルネリアはディーデリヒの姪であり、彼は今回の事件に深い悲しみを抱いている。
コルネリアはあなたのいとこだ。あなたとも仲が良く、本当の妹のようだった。
賢く美しく、優しかった彼女が何故、殺されてしまったのか。その上、彼女の遺体は何者かに持ち去られてしまったと言うではないか。あなたは強い憤りを感じている。
あなたの使命は「事件の犯人を突き止め、コルネリアの遺体を見つけ出すこと」である。』
憂悸「キャラクター名は【フェリクス・アイゼンシュタット】。17歳です。立ち絵がちょっとショタっぽいのはピクルーさんの関係です。お坊ちゃまなんですが、職業的には学生です」
GM「童顔青年推せるな」
憂悸「特技は<射撃><我慢><追跡><整理><教養><深海>。好奇心は『知識』。恐怖心は<罠>です。私も怪異分野あるので正気度は5」
憂悸「<射撃>はこう、貴族の嗜み的な感じで狩りを…。良い子なんですけど、経営者のお父さんの息子なので、多分幼い頃から寂しい思いをしてたけど我が儘言わないで<我慢>してたのかなって思って」
傘子「我が儘言って良いんだよ!」
GM「パパも我慢しないで♡うちわ振ってるよ!」
憂悸「パパェ……。基本的には知的好奇心の強い子だと思います。深海は海底二万マイル読んだとかそんな感じです」
憂悸「アビリティは“狙い撃ち”と“目星”を選択。<射撃>取ったので。拳銃構えたいです」
傘子「前回のお嬢様(PC2)とまるきり性格逆で草生えましてよ。こちらあんなに我が儘でしたのに」
(前PC3「お嬢様はいつだって良い子ですわ~!!!」)
ボブ「今お嬢様強火過激派メイドがログインしたような」
GM「気のせいでしょう。では次、かしもちちゃんお願いします」
かしもち(PL3)「はーい。かしもちです、よろしくお願いします。私もあんまりTRPG経験は無いです。ていうかほぼ無いので、頑張ります」
『PC3 HO
あなたは、この町に住む実業家 ディーデリヒ・アイゼンシュタットの屋敷で働く従者であり、PC2の世話役を主な仕事としている者だ。
この町では一週間前、コルネリアという少女が殺され、発見された後に遺体が消えたという怪事件が起こった。コルネリアはディーデリヒの姪であり、彼は今回の事件に深い悲しみを抱いている。PC2も同様に、強い憤りを感じているようだ。
あなたもコルネリアとは仲が良かった為、彼らと同様、この事件に強い感情を抱いている。しかし、あなたの仕事はあくまで「PC2に仕えること」。PC2と共に行動し、PC2に危険が迫れば身を挺して守るのが、あなたの従者としての宿命だ。
あなたの使命は「PC2に付き従い、PC2の身を守ること」である。』
かしもち「前回はメイドさんみたいですが、私は執事にしました。22歳。キャラクター名は【ブラッツ・ベルガー】。お坊ちゃまの世話役で、射撃の教育係でもあります」
憂悸「主従萌え」
傘子「この立ち絵メーカーの男エロ過ぎでしょ」
GM「この前髪と伊達眼鏡はズルい。エロい」
ボブ「エロ執事じゃん」
かしもち「エロ執事です(笑) 特技は<射撃><恋><追跡><乗り物><民俗学><渾沌>。好奇心は『知覚』。恐怖心は<拷問>です。私も怪異分野あるので正気度5です」
GM「この卓のPC全員怪異分野に特技持ってるの?ヤバいじゃん」
ボブ「怪しさ満点では」
きぃや「<拷問>に恐怖心持ってるのエロくない?」
傘子「わかる」
かしもち「多分、幼少期に受けた折檻とかがトラウマなんでしょう(笑)アビリティは“狙い撃ち”と“かばう”を選択しました。この身をかけて、フェリクス様をお守りします」
GM「最高か~~????」
GM「はい。それでは、このメンバーでやっていきたいと思います。尚、このシナリオにはシーン表が存在しないので、以下のハウスルールを設けています」

ハウスルール
○ドラマシーン開始時、シーン表は使用せず、代わりに2D6振る。
 6、12が出た場合自身の正気点もしくは体力を1回復してもよい。
 なお、回復する項目が無い場合はそのシーン内での判定に達成値+1できる。
2が出た場合はファンブル。正気点もしくは体力が1減る。

GM「では、皆様よろしくお願いします」
全員「よろしくお願いしまーす!」

【オープニング/導入】
◎シーン1 このブタちゃんはおつかいへ
※PC2(フェリクス)のオープニング
《あなたの目の前には、机の上に積まれた紙の束が小高い山を作っている。見ているだけで溜息が止まらなくなる、忌まわしき課題の群れだ。げんなりするそれらが、あなた達を危険から遠ざけようとする為の、周囲の苦肉の策であることは分かっている。分かってはいるが、いくら何でもやり過ぎじゃないかとあなたは再度溜息を吐くだろう。》
《そこに、部屋の扉をノックする音が響く。入ってきたのはこの屋敷のメイド長のモニカだ》
モニカ「フェリクス様、課題の進みはいかがですか?」
フェリクス 「………………まあまあかな」
モニカ「ふふふ」
モニカ「そろそろ気分転換が必要でしょう。よろしければ、この不遜な老人めのお使いなど頼まれてくれません?」
フェリクス「おつかい?」
モニカ「前にハーラルトさん――教会の牧師様に、葡萄畑の収穫をお手伝いして頂いたことがありましてね。そのお礼の品を、ブラッツと一緒に届けてもらいたいんです」
《そう言って、メイド長はフェリクスにサンドイッチや焼き菓子などがたっぷり入ったバスケットを持たせる》
フェリクス「このお礼を教会に届ければ良いんだね?」
モニカ「そうですそうです。お願いできますか?」
フェリクス「いってくるよ、ブラッツはどこ?」
モニカ「では、ブラッツを呼んでくるので、玄関でお待ちくださいませ」
モニカ「そうそう、旦那様や皆には夕方には戻ると言っておきますね」
《時刻はまだ昼前。夕方になるまで、時間はたっぷりある》
フェリクス「ありがとう!」
モニカ「どういたしまして」
《フェリクスはメイド長の心遣いに感謝する。久々の自由時間を満喫する為に、執事と共に「お使い」へ向かうだろう》

◎シーン2 このブタちゃんはおやつ食べ
※PC3のオープニング。PC2が登場。
《時刻は昼過ぎ。教会に赴いた二人の鼻に、華やかな香りが届く。教会前に設置された花壇に生える、薔薇の香りだ。まめに世話されているのか、いきいきと真っ赤な花弁を開いている。ブラッツが教会の入り口を開くと、簡素な十字架が掲げられた聖堂の中で、祈りを捧げるハーラルトの姿が見えた。音に反応し立ち上がると、ハーラルトはごしごしと目元を擦る。どうやら泣いていたようだ》
ハーラルト「…どなたでしょうか?グスッ…」
ボブ「泣いてるやんけ」
ハーラルト「あ…フェリクスさんとブラッツさん、こんにちは。すみません、お見苦しいところを。お二人とも、今日はどうされましたか?」
ブラッツ「お取り込み中すみません お礼の品を持ってきました」
フェリクス「先日葡萄畑の収穫をお手伝いしていただいたそうで、ほんの気持ち程度ですが、どうぞ」
《フェリクスとブラッツがバスケットにかかった布を取ると、色とりどりの野菜や果実のジャムなどが挟まれたサンドイッチ、甘い匂いのする焼き菓子などがあなたたちの目の前に顕われる》
ハーラルト「ああ、この間の。お礼だなんて、そんな…」
《また、そこにはハーラルト宛に「たくさん作りすぎてしまったので、牧師様さえよろしければフェリクス様、ブラッツも昼食にどうぞ」という紙のメッセージも入っている》
ハーラルト「ではお言葉に甘えて。皆で食べましょうか」
フェリクス「ありがとうございます!」
ブラッツ「いただきます」
GM「もぐもぐタイムKAWAII」
きぃや「良いな-!早く合流したいな-!」
《あなた達が聖堂のベンチで昼食を楽しんでいるとそこに、女性が入ってくる》
ビッキー「あらぁ、牧師様にお坊ちゃまたちも!なんだ、よければお昼ご一緒にいかがってお誘いに来ましたのに。もう食べていらしたのね」
《町の酒場で給仕している女性、ビッキーです。教会のお手伝いによく来ているようです。彼女はハーラルトからサンドイッチを一切れ貰い、美味しそうに食べています》
ビッキー「あ、そうそう。お坊ちゃまにブラッツさん、さっきお屋敷の方に旅の人が歩いて行かれたんですよ。領主さまのお客様ですか?何か聞いています?」
フェリクス「旅の人?……ブラッツ何か聞いてる?」
ブラッツ「おかしいですね……私は何も聞いてません」
フェリクス「?」
ブラッツ「??」
ビッキー「見ないお顔でしたし、旅行鞄とか持っていましたし・・・・・・警察の方ではないですよぉ、どちらかといえばこう、都会の方からいらした雰囲気でした。あ、でも・・・・・・」
ビッキー「どこかで・・・・・・そう、どこかで前に見たような気がするんですよね、あの方。ずっと昔に・・・・・・」
ブラッツ「旦那様の昔のお知り合いですかね?」
フェリクス「誰でしょう……うちに戻ったら聞いてみますね!」
ビッキー「そうですね!分かったら教えてください!
《4人でひとしきり話をした後、ビッキーは教会を去って行く。フェリクスたちも片付け後、ハーラルトに別れを告げ、屋敷に戻って行った》

◎シーン3 このブタちゃんは何にも無い
※PC1オープニング
《キーガンが町に着いたのは、ベルリンを出てから三日後の午後だ。町は山の起伏に沿って作られた葡萄畑の近く、森の緑に囲まれるように存在している。山裾の平らなところに家を建てているため、1軒1軒の間隔はまばらだ。
あなたが一度立ち止まり、息を吸うと、どこからか薔薇の良い香りが漂ってくる。見ると、そこかしこに薔薇が植わっているのが見えた》
キーガン「薔薇が美しい街だな……」
《あなたが目的の屋敷に向かって歩いて行くと、ちらほらと町の住人たちが物珍しげにあなたを見ているのが分かる。その視線の中には、よそ者に対する隠しきれない不安も感じられた》
キーガン「うーん慣れた視線だがさっさと屋敷に行ってしまおう」
《暫く進むと小高い丘があり、更にその上へと進んで行くと、ようやく目的の屋敷が見えてきた。あなたが屋敷の扉を叩くと、深いシワが刻まれた老年の執事が顔を出した》
ダールマン「はい。どちら様でしょうか」
キーガン「御機嫌よう。私、ベルリンから参りました探偵のクロイツァーと申します」
ダールマン「探偵……失礼ですが、探偵の方がわざわざベルリンから何の御用で?」
キーガン「この屋敷の御主人から依頼を受けたのですが.......ご存知ないでしょうか?」
ダールマン「旦那様が……失礼致しました。では、こちらへどうぞ」
キーガン「ありがとうございます」
《事情を話すと、執事は訝しげにあなたを見つつも応接間へ通してくれる。年代物のソファに腰掛けたあなたに老執事は頭を下げ、この部屋で少し待ってもらうように言って一度退室しようとする。その直前に話しかけられた》
ダールマン「…失礼ですが。前にお会いしたことがございませんか?」
キーガン「さて、私には記憶がございませんが.......よくある人相でございますから、他人の空似でしょう」
憂悸「ヨクァル・ニンソーさん」
ボブ「よくある人相じゃないんだよなぁ」
ダールマン「そうですか…記憶力には自信があるのですが。歳はとりたくないものですね」《ダールマンは一度退室する。5分ほど待っていると、老執事が再び部屋に入って頭を下げた》
ダールマン「お待たせ致しました。旦那様のお部屋にご案内いたします」
《執事に連れられ、2階への階段を昇る。長い渡り廊下が顕われ、左右に並ぶ客室の扉が見える。その奥の部屋に、この屋敷の主人がいるのだ。部屋の扉を執事が叩くと、中から低い声が聞こえてくる。あなたには懐かしい声だ。老執事は扉を開けると、そのまま部屋の外で待機するらしい。当主に言い含められているのだろうか》
キーガン「失礼します、と言って入ります」
《あなたが1人で入室すると、屋敷の外観に比べて簡素で素朴な印象を受ける部屋のベッドに身を横たえていた男性がこちらに顔を向ける。屋敷の主人であり、依頼人であるディーデリヒ・アイゼンシュタットだ》
ディーでリヒ「やあ、よく来てくれたね。すまないが、ベッドから動けないんだ。もっとこちらに近づいてくれないかな」
《キーガンが近づくと、ディーデリヒはこう告げる》
ディー「依頼については、電報で書いた通りなんだ」
《・1週間前、教会裏の墓地にて彼の姪 コルネリアが何者かに殺されているのが発見された。第一発見者は、墓石を掃除しに来た墓守。誰かが石にもたれかかっていると思い声をかけ、肩を揺さぶったところ、彼女が死んでいるのが分かった。
・死因は失血死。しかし傷口は喉元に並んだ、針で刺したような傷二つしか無かった。
・コルネリアは「朝の祈りをしに教会へ行く」と屋敷の者に伝えて行った。その日の朝、教会の牧師(ハーラルト)は隣町に用事があっておらず、教会にはコルネリアしかいなかった。
・コルネリアの遺体は、戻ってきた牧師の立ち会いの下、警察が来る次の日まで教会の地下の部屋に安置される事になった。そして翌朝、牧師が警察と共に地下室へ向かい、盗難事件が発覚した。
・地下室の扉は、およそ人間業とは思えぬ亀裂を残し壊されていたという》
ディー「私はこの通り、こんな身体だ。出来れば遺体泥棒をこの手で捕まえたいぐらいだが……。警察は、殺人事件に力を入れるばかりで遺体の行方は気にかけていない。でもね、私はせめて、あの子の身体だけでも取り戻してお墓に入れてあげたいんだ」
ディー「私は昔、あの子の母親、つまり私の妹を亡くした。何故……何故あの子まで……」
キーガン「心中お察しします……」
ディー「すまない、弱音を吐いてしまった。年をとると弱気になってしまっていけないね。
 依頼が終わるまで、君は屋敷の空き部屋を使うと良い。夕食の際には、私の子どもや使用人たちを全員同席させよう。彼らにも、捜査に協力するよう言っておくから……頼んだよ、探偵殿」
《ディーデリヒはキーガンに手を伸ばし、二人は握手を交わす。ほどなくして、キーガンはダールマンに案内され屋敷内に用意された部屋に移動するだろう》
GM「一応PCたちのオープニングはこれで終了です。次はマスターシーンとなります」

シーン4 このブタちゃんはおるすばん
※マスターシーン。PC全員登場
《夕食の席に呼ばれたキーガン。ブラッツはフェリクスの後ろに控えている。ディーデリヒが音頭を取り、キーガンにフェリクス,ブラッツや使用人達を紹介する》
ディー「こちら、ベルリンからいらしてくれた探偵。キーガン・クロイツァーさんだ」
フェリクス「初めまして、フェリクス・アイゼンシュタットと申します」
キーガン「初めまして、キーガン・クロイツァーと申します。ベルリンで探偵業を生業としております。皆様には捜査に御協力いただけると、ディーデリヒ殿から伺っておりますしこれから数日間この御屋敷でお世話になりますので顔を覚えていただけると嬉しいです」
キーガン「よくある人相ですので♪(ダールマンを横目に)」
GM「こんなよくある人相があってたまるか」
フェリクス「?」
ブラッツ「私はフェリクス坊っちゃまのお世話係をしております、ブラッツ・ベルガーと申します。屋敷で困ったことがありましたら、私にも気軽にお声掛けください」
キーガン「それは頼もしい!そしてブラッツ殿は端整な顔立ちをしてらっしゃいますな!目に焼き付けましたぞ」
《他にも一通り紹介をし終わった後、豪勢なディナーが運ばれてくる。町の名産ワインも持ってこられるだろう》
キーガン「美味......」
キーガン「このワインに事件解決を捧げましょう!」
フェリクス(葡萄ジュースの方が美味しいな……)
ブラッツ「うまうま」
《暫くすると、キーガンは少し酔いが回ってきたように感じる。少し外の風に当たった方が良いだろう。食堂を抜けると簡素なテラスがある》
キーガン「私、少し夜風に当たってきますね……」
《あなたがそこで一息吐いていると、綺麗な金髪を撫でつけた神経質そうな男がやって来る。先程紹介をされたうちの1人、クラウス・ミュラーだ。ディーデリヒの弟である》
クラウス「ヘル・クロイツァー。君も夜風に当たりにきたかね?」
キーガン「これはこれはクラウス殿。奇遇ですな」
《クラウスはキーガンに表面的な世間話をいくつかした後、こう切り出す》
クラウス「単刀直入に言わせてもらう。この町から、すぐに出て行ってもらえないかな」
キーガン「ほう.......なにか失礼を働いてしまいましたかな」
クラウス「知っての通り、今、この町の住民は皆、殺人事件に怯えている。そこに、君という来訪者が来た。君も感じただろう、町民からの訝しげな視線を。私は、かつてこの土地を治めていた領主一族の末裔として、これ以上彼らを不安にさせたくないのだよ」
クラウス「まあ、君も来たばかりだと言う。今すぐにとは言わないさ。2,3日の猶予は与え
よう、何なら帰りの馬車や汽車の手配もしてやろうじゃないか」
憂悸「おじさまさいて~」
かしもち「上から物言う人とかちょっとね~」
キーガン「その不安を取り除く為、この町に来たのです。それでは3日後、御者付きの馬車でお送りしていただきましょう.......もちろん、事件解決の祝杯の後にね」
クラウス「――ふん。その自信がどこまで続くか、見物だな」
キーガン(弱い犬ほどよく吠える.......)
《用事は済んだとばかりに、クラウスが食堂に戻ろうとする。そして次の瞬間。クラウスは突然、その動きを止めた》
《彼が凝視する先を見ると、テラスの先に見える森。その木々の間から、ゆらゆらと揺らめく光がある。暗い夜の闇の中、よく目を凝らすと、それは光ではなく、どこか女性的な白い手であることが分かった。手の持ち主は真っ黒なローブのような衣装に身を包んでおり、布の隙間からチラチラと除くそれだけが怪しい光のようにあなたたちの目に映る》
キーガン「あれは……?」
《暫くすると、ローブの人物は森の奥深くへと消えていった。しかし、町から外れたこの森は野犬など危険な動物が生息している。そんな場所に、果たして自ら進んでいく人間などいるだろうか?あれは幻覚か、それとも…》
GM「この光景を見たキーガンさんは『情景』で恐怖判定です」
キーガン「<第六感>で振ります……10。成功です」
GM「開幕失敗とはならなかったか」
《クラウスは人影の消えた先を見つめている。ぼそりと、彼の唇から恐怖の音が零れた》
クラウス「ヴェロニカ……?」
《呟いた後、彼は自分自身の無意識の言葉にハッとする。首を振り、そのまま食堂に戻って行くだろう》
GM「というところで、オープニングは終了です~。次から第1サイクルに入っていきます!」
憂悸「ヨクァル・ニンソーさん何なんですか」
きぃや「さぁ、何でしょう(笑)」
かしもち「謎めくPC1だぁ」
GM「はやくも面白くなってきましたね。そうそう、今回のサイクル数は4です。4サイクス経過後、問答無用でクライマックスに移行するのでご注意下さい」
全員「はーい」
GM「では次回、メインフェイズです」

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