読書日記 保育士が読む「保育士よちよち日記」
見も蓋もないお仕事の裏側を描くシリーズの保育士版、以前から気になっていたのですが、やっと読んでみました。
このシリーズを読むのは初めてで、てっきり各職種のブラックな部分に焦点を当てて書かれているとばかり思っていましたが、読んでみると全く違いました。
人手が足りなくて派遣や非正規が大半、職員会議の残業代が出ない、年長児も無理やりお昼寝させる、子どもを選り好みし、あだ名で呼ぶ、過度に叱る、等々、確かに保育士という仕事のネガティブなエピソードは多かったですが、一方で子どもとのユーモラスなやり取りや、マイペースだけど信頼できる主任保育士との出会い、自分の子育てを振り返って感じたことなど、前向きなエピソードも多く、楽しんで読むことができました。
筆者は派遣の保育士という雇用形態で、派遣が入っているということはどの職場も最低人員ギリギリだった可能性が高く、正直本には書けないような不適切保育もあったのではないかと思いますが、これから保育の世界に入ろうと思っている方には、夢を壊しきらずに実情を知ることができる本ではないかと感じました。