影響を受けた育児本①子どもへのまなざし
子どもが生まれるまで、私は子育てについて、柔らかな粘土をこねて子どもの姿を作り上げていくかのようなイメージを持っていました。
親が子どもをどう行動させるかによって、子どもの人生や性格がが変わっていく。だから親は見通しや揺るがぬ方針を持って子どもを指導していかなくてはいけない。現に巷にはその手の子育て本(○○な子に育てる!、○○力を伸ばす!等々)が溢れていて、その責任の重さに憂鬱になり、なんとなく子育て関連の本は敬遠していました。
そんなことを先輩ママさんにこぼしたところ、お薦めされて読んだのが佐々木正美さんの「子どもへのまなざし」でした。
子どもへのまなざし (福音館の単行本) https://www.amazon.co.jp/dp/4834014738
この本の前半の文章で、私の育児観は大きく変わりました。
“乳幼児期の育児は、ひとことでいえば、子どもの要求や期待に、できるだけ十分にこたえてあげることです”
それまで、子育てというのは何をさせて何をさせないか、親が決めて逐一子どもに守らせることだと思っていた私には、この本のメッセージはとても驚きであると共に、とても心が軽くなったように感じました。
大切なのは親があれこれ決めることではなく子どもの訴えを見逃さず応えるという考えは、とてもシンプルで、かつ子どもへの敬意が感じられる共感できるものでした。
また、この本のなかには、“条件付きの愛情”という言葉も出てきます。
子どもを愛するとき、言いつけを守ったから、何かができたから、“条件付きで”愛するのではなく無条件でないといけない、ということなのですが、これは実際子育てをしてみていかに多用してしまうかを痛感しました。
(そもそも、子どもを誉めるときに使う『いい子』という言葉にも、『大人にとって都合がいい子』というニュアンスがあることに気付きました)
日々意思が強くなっていく子どもに対して100%実践するのは不可能ですが、保育士になってからも、うまくいかない時ほどこの本に書いてあったことを思い返すようにしています。