2022年面白かった本ベスト3!
今年一年読んだ本を振り返って、2022年面白かった本ベスト3を決めてみました!
①「夏物語」川上未映子
衝撃でした。人が(主に女が)子どもを産むことの残酷さと矛盾をこれでもかとえぐった上で、それでも産むことへの絶対的な欲望を何も美化せず描ききった稀有な小説。
めちゃくちゃお薦めです!
②「子育て支援の経済学」山口慎太郎
論文とデータを元に子育て支援政策を分析した本。出生率と母親就業率はトレードオフの関係にあるという点が、当然と言えば当然なのに盲点でした。
ひろゆきが言ったように、出産一時金を1,000万円にすれば出生率は上がるが、母親就業率は下がる。
出生率も母親就業率も上がって男女賃金格差が縮小されるようないいとこ取りの施策はあり得ないならば、個人的には母親就業率が上がる政策を支持したいと思いました。
③「人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学」ロビン・ハンソン,ケヴィン・シムラー
人間は集団の中で、性、社会的地位、政治の分野で競争し合い、その競争に勝つために相手をだます以前に自分すら欺いて行動する(その方が周囲に告発されにくい)。例えば話し手は相手にアドバイスしたり有益な情報を与えることを表向きの動機としながら、自分が知識ある人間であることを語っている。
自分も含め世に溢れるマウントや嫉妬、承認欲求の(不都合な)正体が分かる本。
こうした本能的な欲求と社会的な理性の間にジレンマが生じてしまうのは、人間が余りにも社会的な生き物になりすぎてしまったからなのか?最近ずっと考えてます。
来年も良い本との出会いがありますように!