保育園の不思議②食事
連絡帳から読み取れる保育園での娘の姿と家庭での姿で、お昼寝の次にギャップがあったのが食事でした。
娘はミルクを飲んでいた頃からどちらかというと食が細く、家庭ではミルクも離乳食も残すことがほとんどでした。
更にイヤイヤ期が始まってからは食事用の椅子を嫌がったり、好き嫌いが出てきて野菜全般を食べなくなったりと、親にとっては頭の痛い状況が続いていました。
そんな中でも、保育園の連絡帳には毎日完食、更にはおかわりをしている日も珍しくなく、面談などで先生に聞くと確かに完食していると言われ、不思議でなりませんでした。
そして保育士になってから、この食事も、お昼寝と同様に「家では食べない」と悩まれている保護者の方が多いことを知りました。
保育園の中から保育士として子どもたちを見ると、何となく原因が見えてきました。
私が感じた、家庭と園での子どもの食べ方が違う理由は二つです。
①保育園の方が、食べるための環境が整っている
保育園では、机も椅子もお皿も子どもに合わせたサイズで、落ち着いて食べることができます。
もちろんテレビがついていることもなく、おもちゃは片付けられています。
また、食事そのものも家庭より細かく刻まれていることが多く、食べやすくなっています。
加えて、周りのお友達も椅子に座って一緒に食べるので、お互いに食べる様子に刺激されて食が進むという側面もありました。
②保育園では頑張って(無理をして)食べている
特に好き嫌いが出始めると、野菜など家では食べないのに保育園では食べる、ということが起こります。
これは子どもの性格や保育園の方針にもよるかと思いますが、本当は嫌いで食べたくないけど、保育園では友達も食べてるし先生にも言われるから頑張って食べている、という可能性があります。
特に2歳児以上のクラスでは、子ども達自身が「ほいくえんでは食べてるから(家では食べなくて)いいでしょ」と言ったりします。
この辺りは保護者の方や保育園の先生の間でも考えが別れるところだと思いますが、私は個人的には人間なら好き嫌いがあって当たり前で、それを家庭でも園でも許容したいと思っています。
この飽食の時代に、何か数品目が食べられないからと言って栄養失調になるわけでもありません。
それよりも子どもの意思を無視することで子どもに自分の気持ちは大人に尊重されないという印象を植え付ける方が悪影響だと思っています。
保育士としては、「一口食べてみない?」と誘い、食べられたら一緒に喜ぶ。食べられなくても責めない。
母親としては、同じ素材で調理法を変えたり、子どもの好きな食材を混ぜたり(マロニーが入っていると野菜を食べたりしました)していました。
家庭で好き嫌いが多かったり偏食していて心配されている保護者の方も、「保育園で食べてるからいいか」と開き直ってしまってもいいと思います。