【子育て】テレビゲームについて
子育てにおけるテレビゲームについて、多面的な問題点、事例や実践例を盛り込んで。(約22,000字)
しばしば質問されることで上位に入るもののひとつが、テレビゲームや動画、テレビ、ビデオ、DVDを子供に関わらせることに関するものだ。
こうした問題について述べられているものも世間に多いが、どうにも的外れだったり、多様な現実を踏まえていない一方的な意見が多くみられるようなので、長年子供と子育てに携わってきた僕の立場からわかっていること、どういった方向性で関わるのがよりよいのかをまとめてみる。
ただし、スマートフォン自体の扱いについてはネットリテラシーや性教育などの問題とも関わり、ここでは幅が広くなりすぎてしまうので、その一部である動画を見ることについてのみにしておく。
【こんな人におすすめ】
・テレビゲームを与えることに悩んでいる
・子供がDVDやテレビばかり見たがって困っている
・子供との関わり方に自信がない
・どう子育てしていいかわからない
・つい動画を見せることになってしまい罪悪感を感じている
・0~2歳の子育て中
参考までに、これらに対する世にあふれている一般的な意見と、子育てをしてる当事者の悩みなどの声を一部あげておく。
【世にあふれている意見】
・勉強をまったく集中してしなくなるので与えるべきではない
・与えても良いがルールを守らせてやらせるべき
・ルールを破った場合は、親がテレビゲームを壊してもいい
・「テレビゲームをやること=学力低下」ではないので、与えてもいいのではないか
・自分は子供の時テレビゲームを与えてもらえずに、友達と一緒にできなかったり寂しい思いをした経験があるので、与えないのは子供が可哀想だ
【子育てしている人の声】
・私(母親)はあまり与えたくないと思っているが、父親がゲーム好きで子供とやりたがる
・子供が低年齢(0~1歳)だが、ことあるごとにスマホで動画を見せて子守りをさせてしまっている。そのことを良くないと感じている
・2~3歳になり、自分でDVDの操作を覚えてしまい、ずっと繰り返しそれを見続けている。心配に感じるがどうしていいかわからない
こうしたテレビゲームや動画の問題は、さまざまな要素が複雑にからみ合っている。だから、おしなべてこれこれこうだからこうしなさいと言えるものでもない。
個々の状況や、子供の個性、子育てする大人の個性などが密接に関わってくる。
だが、一般的な意見でしばしば見られるのが、自分の経験などの個別論を一般論としてしまう風潮だ。
こうした個別論で、それを読む大人(保護者)が共感できるものがその人には一般論的に見られる傾向があるようだ。
自分が与えてもらえずに寂しい思いをした人は、それを「与えてもらえないと可哀想だ」論に寄ってしまうし、自分がやり過ぎたときにゲーム機を隠されたり、壊されたりした人が、「ルールを破ったら壊してもいい」論に寄ってしまったり、反対ににそういう経験をした人が「好きなだけやらせてあげていい」論に共感してしまったりもする。
またはひと頃流行った「ゲーム脳」のような疑似科学的なものに感化されてしまうものもある。
だが、どれも一面的でこれらの問題をあまり総合的には見ていないようだ。
僕は今少し広い視野でこの問題を見ていこうと思う。
1,それ以前のおもちゃ選び -刺激に慣れすぎてしまう子供たち-
ある意味で、現在の日本の子育てでテレビゲームに行き着くのは、必然だと言える。
テレビゲーム以前にあるさまざまな子育ての要素が、一般的にはあまり見えないかもしれないが、テレビゲームに向かわせるたくさんの布石になっている。
ここから先は
¥ 500
保育士おとーちゃんこと須賀義一です。 保育や子育てについて考えたことを書いています。