保育園での歯磨き文化
先日、保育士がおすすめする歯磨き絵本の記事を書いた。
今回は、園での歯磨きについての話。
今まで経験してきたのは、
4、5歳児のみ歯磨きをする園
0歳児から給食後に歯磨きをする園
2歳児までの園で2歳児のみ歯磨きする園
の3つ。(年に1~2回ある歯磨き指導はノーカウント)
実習やアルバイトでは、3歳児から歯磨き粉を使って歯磨きする幼稚園や、何歳児でも給食後に歯磨きをしない園にも行ったことがある。
私の住んでいる自治体の小学校では歯磨きをしない。そういうものだと思っていたら、近くの自治体の小学校では給食後に歯磨きタイムがあるらしい。保育園・幼稚園でもそれに合わせた指導をしているという話を聞いた。
小学校での歯磨きは、限られた手洗い場の数でうがいはどうしているんだろう?と思うけれど、きっとなんらかの安全なやり方が決まっていて、幼児のうちにそのやり方に一定慣れておくことが必要なのかなと思った。
つまり、園での歯磨きには、けっこうばらつきがあるということ。
口に長いものを入れるにあたって、「くわえて立たない、歩かない」などの安全管理は必須だし、唾液が付くものということで衛生面での心配事もある。
今までは歯磨きをしていた園でも、今はコロナで飛沫感染の恐れがあり、やめているという園がほとんどではないかと思う。
4、5歳児のみ歯磨きする園
食後のうがいが3歳児から習慣化されていて、4歳児の途中から歯磨き開始。
特に大きな混乱もなく、嫌がる子もいない。
「この場所で歯ブラシを巾着から出す」、「歯磨きしている間のコップはここに置く」などの細かい決まりがあり、安全に歯磨きできるようになっていた。
決められた場所で自分で歯磨きをして、うがいをして終わり。
4歳児も5歳児も仕上げ磨きはしない。
いろいろあって歯磨きをなくそうかという話も出たが、保護者から「食後に歯磨きをする習慣を園で作ってほしいからなくさないでほしい」という意見が相次いだ。(小学校では給食後歯磨きしなくなるけどね)
0歳児から給食後に歯磨きをする園
「歯が生えたら歯磨きの習慣を」という考えで0歳児から歯磨きしていた。
0歳児のうちは保育士が磨くのみ。
1歳頃になると少しだけ自分で磨き、仕上げは保育士が行う。
幼児クラスになっても保育士が仕上げ磨きをしていた。
1、2歳児クラスでは、仕上げ磨きタイムが、子どもにとっては自己主張タイムとなる。
先生を独占して1対1で仕上げ磨きしてもらえるからだ。
自己主張①
仕上げ磨きを嫌がり、「まだ自分でやってるの!」が続く。
給食後の片付けや排泄、着替えなど、その後もやることが盛りだくさんなので、こちらは、ある程度のところで切り上げたい気持ちがたくさん。
「何の歌で磨く?○○?△△?」と歯磨きにBGMをつけることを提案し、アニメソングやキャラクター名で気持ちの切り替えをはかる。
提案したもので納得してくれたらラッキー☆
自己主張②
上の提案を「イヤ!!」とはねのけ、「○○がいい!」と仕上げ磨きのBGMソングをリクエストされる。
全然知らない歌を言われてもその場で作詞作曲してなんとか乗り切る。
(キャラクター名の連呼とか)
リクエストされるということは、「仕上げ磨きしてもいいよ」という意思表示なので、頑張って作詞作曲する。
複数担任だったり、昨日作った歌を忘れてしまい、「きのうのとちがう!」と憤慨されることもあるけど、なんとか乗り越える。
同じキャラでも何世代か前の、今の子どもが知らない歌を歌ってあげるとヒットすることもある。
リクエストが知ってる歌だったらラッキー☆
自己主張③
「○○ちゃんから先にやって」「あとでやる」と謎の譲り合いが始まる。
これが始まると、ちょっと気合が必要になる。
なぜなら、指名された子もだいたい「△△ちゃんが先にやって!」と譲るから。
もはや譲り合い合戦。謎の文化。
早く仕上げ磨きをしたいので子どもの主張はできる限り受け入れていて、それを子どもに見抜かれていたなぁと思う。
2歳児までの園で2歳児のみ歯磨きする園
1歳児の時に2歳児が歯磨きをする様子を見ていて、進級した子はスムーズにスタート。
というか、2歳児へのあこがれが強く「○○ちゃんもおうちではみがきしてるもん!歯ブラシおうちにあるもん!(だから、私も保育園でも歯磨きしたい)」という主張が1歳児後半に出てくることがある。
3月生まれの2歳児と4月生まれの1歳児では、本当に月齢が1か月しか違わないこともあり、2歳児になったらね、という趣旨の声掛けをしながらも、ちょっと悶々とすることもある。
さきほどの園では2歳児クラスで仕上げ磨き回避の自己主張合戦が繰り広げられていたが、この園では、そういうことは起きなかった。
その時に気を付けていたことは以下の2つ。
気を付けていたこと①
できたら褒める
特に歯磨き開始1週間は口を開けただけでも褒める。
その時に「すごいね」よりもどちらかというと「やっぱりね、○○ちゃんはできると思ってた」というスタンスで接していた。
気を付けていたこと②
徐々に「仕上げ磨きを嫌がらないのが普通」「やって当たり前」という雰囲気を醸し出していく
そのためには、「すごい」という声掛けは合わなくなってくる。
気を付けていたこと③
絶対に痛い思いをさせない
これが一番大事。
家庭や別のところで嫌な思いをしてきた子でも、「この保育園では痛いことはされない」という認識を持ってもらう。
なので、こわごわ口をあけるような子は特に丁寧に接する。
1歳児のうちは磨いてこなかったのだから、歯の全部を磨けなくても問題なし!
まずは前歯をちょこちょこっと磨けただけでも褒めることにして、少しずつ磨く範囲を増やしていく。
嫌な経験をしなかったら、仕上げ磨きは日常と化し、習慣化していく。
まとめ
自己主張合戦は、園の文化なんだな~と思った。
隣のクラスの様子などをチラリと見たり、同じクラスの友達がやっていると真似したくなるのだと思う。
おしまい
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