第一子よりも第二子の方が難しい
担任している子どものお家に第二子が産まれた時の話をしようと思う。
個人の特定を防ぐためややフィクションを混ぜている。
母親は産休に入るまで働き、予定日一週間前くらいの朝、陣痛が来た。
母親が産休に入ってからは、短時間で保育園の利用をお願いしていた。
直前の検診で子宮口が開いていることを言われており、予定日が早まる可能性は聞いていた。
開園とほぼ同時に父親から電話があり、いつもより早く送ってくるとのこと。
もしかしたら夜中から陣痛が始まっており、開園を待っていたのかもしれない。
父親が第一子を預けに来て、帰りは祖母迎えだと言う。
遠方の祖母が泊まり込みで手伝いにきてくれることになっていた。
今から呼び出し、夕方までには来るからとのことであった。
父親立ち合いの元、第二子は産まれ、母子ともに健康で自宅に帰ってきた。
出産後もしばらく祖母の送迎は続いた。
おいくつなのかは分からなかったが、足腰が弱ってきているようで自由奔放な第一子の送迎には苦労していた。
でも。
第一子を預ける先があってよかったなぁと思う。
第一子の出産は母親が自分の体調がどうかで仕事を調整したり、病院にかかったりできる。
母子の体は一体化している。
真夜中の陣痛でも、自分がどう産院に行くかを手配すれば産院には行ける。
ところが。
第二子の妊娠になると、そこには常に「第一子どうするか問題」が立ちはだかる。
検診に行くときにどうするのか、
出産のときにどうするのか、
産後、自宅に第二子と帰ってからどうするのか。
産前は第二子&妊婦、第一子の2つの体が、
産後は母親、第一子、第二子の3つの体があるのだ。
それぞれ違うタイミングで眠くなるし、お腹もすく。母体一つの時代とは全然違う。
多胎児(双子や三つ子)だと、生活リズムはもっとバラバラになる。
冒頭のケースでは、遠方から来てくれる祖母がいたが、そうもいかない家庭もあるだろう。
友人は姉妹で出産予定日が被ったと言っていた。幸い、どちらも里帰り出産を選び、同じ産院で産まれたらしいが、もしどちらも遠方だったら?
上の子付き添いOKの産院も一部あるが、今は感染症で制限されているところもある。
今勤めている保育園のある自治体では「育休退園」は行われていない。
待機児童が多かった時代から受け入れを続けている。
しかし、近隣の自治体では「育休退園」がある。
最近になって見直しが進み、継続して利用できる自治体も増えてきている模様。
近隣自治体でも以前は3歳児までは退園だったのが、今は3歳児も継続して在園できるようになったようだ。(残念ながら2歳児以下は退園)
新生児を抱え、3歳児を自分一人で見る。
大変の一言に尽きる。
3歳児だと幼稚園への入園もできるかもしれないが、第一子が0~2歳児だと日中の行き場所を失う。
実際には、世の中の0~2歳児すべてが第二子妊娠までに保育園に入園しているということはなく、第二子の新生児と第一子を抱えながら家庭で過ごしているケースは多いだろう。
大変の一言に尽きる。
別のケースもあった。
同僚の娘さんのケースでは、第二子のつわりがひどく、仕事も休みがちで、第一子の保育園継続を迷っていた。
「もう、このまま仕事辞めて、この子と過ごそうかな」
この時の想定では、出産当日までは何事もなく、自分が第一子の面倒をみられると思っていたのだと思う。
ところが数か月後、切迫早産で入院することになった。
母親は24時間病院で過ごすことになった。
当然、第一子と過ごすことはできない。
父親が仕事を調整し、第一子の保育園送迎をしていたが、どうしても外せない仕事もあり、同僚が仕事を調整することもあった。
ただ、第一子の日中の居場所があったおかげで、父親も同僚(祖母)も長期的に休んだり、退職したりすることにはならなかった。
人手不足の職場だったので、同僚が休職や退職にならなくて私もほっとした。
父親の職場でも貴重な労働者を失うことなく済んだ。
その後、父親は第二子のために育児休暇を取得した。それはそれで必要なことだと思うが、第二子の生まれる前に使える制度があればなぁと思う。不妊治療も同様だ。
労働力不足が叫ばれる中、育休退園ってどうなのかな?
第二子を迎えることって難しいなぁと思った出来事だった。
おしまい
久しぶりの更新になってしまいました。
後遺症などはなく、園も通常運転に戻りました。
田んぼでは稲穂が垂れ始め、畑では大豆がすくすく育っています。