見出し画像

30代 子育てを経験していない保育士(保育園の裏側の話)

一緒に働いている人が妊娠した。
トラブルがあって安静指示がでた。

「おだいじに」
という気持ちで休み中を乗り切った。
新しい命は無事に心臓を動かしている。

でも、中には「自分は頑張ったのに」
って思う人もいるらしい。

トラブルが起きるかどうかは
人それぞれなのにね。


以前、
若い保育士(20代前半)に対して、
本人のいないところで、
「礼儀がなっていない。
うちの娘はこんな風に育ててない!
あそこの家の母親はどうなっているんだ」
と怒り狂っている園長を見たことがある。

確かに「どうなの?」
と思う素行をとっていたが、
そういう部下に指導をするのが上司であり、
娘の子育てとは何の関係もない。

当時、お子さんは中学生か高校生と聞いた。
きっと今頃さぞかし素敵な20代なんでしょうね。

怒り狂う園長を見て、
私は、引いた。ドン引きした。
今、これを読んでいる人も
引いている人が多いのではないかと思うが、
こういう感情論で働く人もいる
(むしろ多い?)
のが保育業界だったりする。

その保育士の生育歴(過去)がどんなであっても、
"、自分の立場でどうすべきか"
"今後、どうしていくのか(未来)"を
考えられない人と一緒に働いていることに
がっかりした。

私が反論したところで、
感情論で動いているその人にとっては
何の説得力もない。
悔しい。

冒頭の妊娠トラブルも同様。
自分の経験を引き合いに出して、
他人を批判する人がいて嫌になる。

その点
子どものいない私は
妊娠出産子育てにおいて、
経験値ゼロ。

保育園で働く上で、
どんな保護者にも
フラットに接するよう心掛けている。

子育て経験がないので、
「我が家はこうしてましたよ~」とか
「そうそう、分かります~」とか
リアルな共感はできない。
そういうところは
子育て経験のある保育士は
強いなー、いいなーと思う。

でも、裏では、
「(私は頑張っているのに)あそこの親は(頑張っていない)」
って言っている人にも会ったことがある。
しかも複数。


私は、子育ての経験がない分、
子育ての大変さを実感していない分、
どんな家庭へも共感できる。

妊婦の大変さも
実体験がないゆえに
「そういうものなのだ」と
ただ受け入れるのみ。


子育てと保育が似ているから、
経験論が語られると思うのだけど、
実際は違うと私は思っている。

保育士は、子どもの卒園までしか関わらないが、
子育てはその後も続いていく。

園で発熱した子がいたら
保護者に連絡して迎えにきてもらう。
引き渡すまでは園の責任だが、
保護者が来た時点で
プレッシャーからは解放される。

災害時も同様で、
迎えに来てもらうまでを
いかにしのぐかが
保育士の仕事になる。

暴風警報が出れば開園しない。
「今日は預けられないんです」と
言ってしまえばそこまで。

ところが保護者は、
24時間365日、
幼い命を守らなければならない。
冒頭の妊婦もまた然り。

子育てと保育は似ている部分もあるし、
経験論で保護者に寄り添うこともできるけど、
違う部分も多い。
だから、私はどんな保護者も
尊敬している。


子育て経験のある保育士、
子育て経験のない保育士、
どっちがいいとか、
どっちが優れているとかではなくて、
どちらも保育士という資格にプライドを持って、仕事をしていくことが大事だと感じる。


どんな保育士も保育士の専門性を
しっかりと認めてもらえるようになるといいなと思う。








おしまい


【関連記事】


サポートしていただけたらとてもうれしいです! 喜びます。 おいしいもの食べてもいいですか? チーズとマンゴーと梨とぶどうが好きです。