ベテランと新人では見えている景色が違う
保育現場や研修において、よくベテランの新人保育者に対する嘆きが耳に入ってきます。
「どうしてもっと〜できないのかしら?子どもたちがかわいそう」という嘆きです。
保育経験を重ねると、子どもの感じていることに敏感になったり、いわゆる保育の引き出しが増えてきます。
すると、子どもの気持ちに寄り添い、豊かな環境をつくることができるようになります。
それはとても素敵なことだと思います。
しかし、ベテラン保育者は「子どものために」という気持ちが強ければ強いほど、新人保育者の保育に対して批判的になってしまうことがあります。
特に気をつけたいのは、現場の保育を客観的に見る機会の多い、管理者層やリーダー層です。客観的に距離を置いて観察することで、忙しい保育の真っ只中にいる保育者よりも気づくことは(気になることは?)多くなります。
新人保育者は経験が浅いため、ベテラン保育者よりも子どものわずかな変化に気づくことができなかったり、引き出しが少ないので環境づくりや子どもへの関わりなども、できることが限られます。
そのような落とし穴にはまりそうになったら、「ベテランと新人では見えている景色が違う」という所から出発しましょう。
同じ子どもの姿を見ても、環境を見ても、ベテランと新人では見え方が違います。
保育は子ども理解が起点となりますが、どうしたら新人職員と多様な見方を共有できるのかを考えましょう。
たとえば、「そうね。でも〇〇のような見方もできるね」とか、「〇〇のような関わりもできるかもね」ということを提示したり、ベテランがモデルとなり自分の保育を見せることもできると思います。
ただ、新人保育者だからこそ見えている景色もあります。それは、今の保育が「当たり前」になっているベテラン保育者には見えない景色かもしれません。
そのような、違いを認め合う相互尊重の風土をつくりたいですね。
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