組織的な対応①
園や施設において、子どもの怪我や保護者からのクレームなど、保育者が問題を起こした時にどのように対応しているでしょうか?
時々見られるのが、問題を起こした保育者を注意・指導して終わり、というケースです。
何か問題が起こると、人は「あの人だから問題が起こったんだ」と、保育者個人の力量や資質、性格が原因だと捉えてしまいがちです。
これは「根本的原因帰属の誤り」と呼ばれる認知の歪みです。
一方で自分が問題を起こした場合は、周りの人や状況のせいにします。つまりどちらも「悪いあの人、かわいそうな自分」という考え方をしています。
しかし、保育者個人を攻撃することでは問題は解決しません。組織的な対応が必要です。
個人を責めるのではなく、組織の問題がたまたま表面化した、と捉えるのです。
子どもの怪我があった場合、環境のリスクを取り除かないと、怪我は続く可能性がありますね。
たまたまその保育者が怪我の現場に居合わせただけで、もともとリスクそのものは存在していた、ということです。
たとえば、保護者への伝達ミスがあった場合、保育者個人を責めるのではなく、保護者へ伝達手順書の作成や、チェックリストの作成、園・施設内での報連相についての仕組みの確立と、全職員での共通認識を図る、など組織としてできることを考えましょう。
それが欠けてしまうと問題の根本的な原因がいつまでも取り除かれず、同じような問題が繰り返されてしまいます。
(組織的な対応②に続く)