気に入った絵本紹介しちゃうけど、大丈夫そ???
絵本って、いつの時代も子ども達の心の拠り所であり、新しい発見の場でもあり、成長を促し、勇気づけてくれる存在ですよね。大人になった今でも、大好きな絵本を覚えている方は多いのではないでしょうか。
今回は絵本の面白さ、奥深さについてぜひ、感じてもらいたいと思います。この絵本の名前だけでも覚えて帰って……ッ
『まよなかのトイレ』という絵本があるのをご存じでしょうか、、、いや、怖い話でなくて。
こんな可愛らしい表紙から始まる物語。
察するに、夜中に起きて一人でトイレ行く話だな??はい。その通りです。でも待ってまだ帰らないで。
メイにはトトロ、野比にはドラえもん。
というように、物語の中には、主人公の補助役・物語の案内人がいるときがあるんですね。この絵本ではコチラ!!
表紙の女の子・ひろこちゃんの足元にいるこの黒猫ちゃん「みいこ」がその役割ということで。重要参考人だ。ぜひ彼女の動向に注目してほしい。
まずは、人形として一緒に寝ているみいこ。
ひろこちゃんがトイレに行きたくて目を覚ますと、お母さんは赤ちゃんのオムツ換え中👶🩲
そこでひろこちゃんは「ひとりでトイレにいく」ことにしたのでした。お姉ちゃんとして一歩踏み出す勇姿を我々は目にすることになる。
くらーくながーく感じる廊下。
と、廊下を歩く段階で(お母さんがみえなくなってから)みいこが急に喋りだします。
ねこだから暗いところは大丈夫なのだそうで。
たのもっしい!!
からのこの一言です。
「しっぽにつかまって」
え、、、いいの???猫なんてしっぽ触られるの大嫌いなはずなのに、それを掴ませてくれる優しさ。なんという利他的な考えのネコチャンなんだ。ひろこちゃんのためを思って動く姿がいじらしい。
極めつけはココ!
ぎゅっとしっぽをにぎると、みいこが早歩きになったの、なんでだと思います??(1分以内)
ココが子ども達とぜひ意見を交わしてほしいところ!ひろこちゃんはなぜ、ギュッと握ったの?みいこはなぜ、早歩きになったの?見えない気持ちを言語化する作業。
わたしはこう思うなあ、なんて大人の意見もはさみつつ、聞いたら絶対に、どんな考えでも「なるほどね」「だからなのね」と肯定してくださいね!
こんなに熱く語ってるのにまだ3ページしかすすんでない、、、
でね、トイレに着いたらなんか電気ついてるんです。あれ?消し忘れてるのかなと思いきや、何がいたと思います???
ヤギ。
え、ヤギ???
やぎ🐐
そら、みいこもこんななる。
暗闇へと消えていった、唐突なヤギに心を惑わされながらもトイレをすませるひろこちゃん。
なんと、紙がないではありませんか。
あのヤギ、、、!!!
すると、ペーパーホルダーに付いていたうさぎちゃんも動き出し、教えてくれます。
「よる電気をつけっぱなしにすると、どこからともなく現れて、紙を全部食べてしまうヤギ🐐」だということを。
なるほど、だからヤギいたんや。
絶対電気消すように気を付けるね。旦那さんが消し忘れてたら言いましょうね。「ヤギ来るからちゃんと電気消してくれん???」
なんとかトイレットペーパーを手に入れ🧻
はー、終わったと出ていこうとするひろこちゃんに手洗い忘れてるよ!と教えてくれる動物も登場し、
みんなで仲良く手洗いからのシャボン玉なんか作ったりして、ずっとみんなとこうして過ごしていたい、、、!とわたしが思ったその時!!
トイ・ストーリーか✋
ウッディにもぜひ、みいこと会ってほしい。
多分ウッディはひろこちゃんの前で動いてるみいこを見て、国が違うと常識も違うことに驚くでしょう。
大人の前だけではその物事が起こらない、というこのファンタジー感。今までのはひろこちゃんの想像だったのか、こちらも色々と考えを巡らせてしまいます。
それほどまでに無限の創造力があるのだよ、と。
画面に出てくる動物たち全てが愛おしく、頼もしく感じます。
全ての物に心があるという「アニミズム」の大切さも同時に教えてくれるこの絵本。自分の周りにあるもの全てが「味方」だとしたら、この先どんなに心強いことでしょう。
物を大切に扱う心にも繋がりますよね!
最後にはちゃんとお母さんと布団に横になる。この安心感。これを読んでもらった子もきっと、見守られているんだ、絶対最後にはお母さんが待っていてくれるんだと、絵本越しに隣にいる誰かの温もりを心で感じとることでしょう。
秀逸なのは背表紙。
またヤギ来とるやん。
このうさぎの困った顔🐰
遠足はお家に帰るまでが遠足。絵本は、表紙から背表紙までが物語。
ぜひ、裏表紙から物語の続きや登場人物の気持ちへ想いを馳せてくださいね🤭
「まよなかのといれ」作 まるやまあやこ
出版/福音館書店