C | チューリッヒ人になる方法A to Z
これは、2年半のチューリッヒ生活を通して見つけ出した面白おかしく、ときに皮肉ったチューリッヒ人のあれこれを、アルファベット順で紹介する連載です。このガイドラインを辿れば、あなたもチューリッヒ人の一員になれるかも? どうぞお楽しみください!
C is for...
CARRY A WATER BOTTLE
マイ・ボトルを持参せよ
母なる地球は今、危機に面している ー 地球温暖化、森林伐採、砂漠化や水汚染などの深刻な問題は、この星の住人・私たち人間によって引き起こされてしまった。より良い地球に変えたいと願う環境活動家の懸命な活躍もあって、多くの人々も環境への配慮を見直し始め、できる範囲のアクションを少しずつ日常に取り入れている。
世界中ではゴミを作らない「ゼロ・ウェイスト」ムーブメントが流行している中、チューリッヒ人はすいぶん前からペットボトルを消費しないことに精力的なよう ー お財布や家の鍵をかばんに投げ込むように、この人たちにとって、マイ・ボトルを持ち歩くのが当たり前だからだ。
チューリッヒ市街には、実に1,200以上ものの噴水や水飲み場が設置されていて、中央駅から住宅街の隅っこまで、乾いた身体を潤す機会がそこら中に見つけられる。このことから、この街で自前のボトルを携帯するのが常識であることも頷けるでしょう。チューリッヒ市役所は、どこに噴水があるのかがプロットされているデジタルマップも作成しており、一度見てみると、いかにチューリッヒが水源に恵まれているのかが一目瞭然でわかる。
煮え切るほど暑い夏から、痛烈な寒さで凍える冬まで、チューリッヒ人が水分を補給する瞬間に出くわすことはとても簡単なこと。保温保冷が効くボトルに水を注ぐイケイケな若者、蛇口から直接水を飲むランナー、はたまた愛犬を溜まった水の中に放り込む飼い主 ー 水を利用する方法は各々と異なるようだ。クリスタルのように透き通り、キンキンに冷え切った水が無料で飲めるのなら、スーパーで2CHF(約200円)もするEVIANを買うことはとてもばかばかしいのです。
こうなれば、「水の都」と謳われているヴェネチアからその名をふんだくるべきなのではないでしょうか? チューリッヒこそが、真の「水の都」ー さぁ、マイ・ボトルを持っていざお出かけに行きましょう!
チューリッヒ観光局は、当街と水の関係性を深く解説してくれるツアーWater of Zürich Tourを開催。詳しい情報と詳細はこちらから(英語)。
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この連載は、自身のブログ『Hoi, Arisa』上でも掲載中。