ギャンブルレーサー
『ギャンブルレーサー』という競輪の漫画がありまして。これが“僕の人生に影響を与えた漫画”不動の第1位でして。僕の人生のバイブルでして。
どんな漫画かと言うと、主人公は競輪選手なんですけど、自分でギャンブルをするのも大好きで、競馬競艇麻雀パチンコなんでもござれな博打狂で、そんな主人公を中心とした人間ドラマだと僕は捉えてます。
ただちょっと他人に勧めにくい作品。結構古い作品だし、競輪という題材がややマニアック。あと巻数も多い。
なんでそんな作品が僕のバイブルなのかというと、答えは単純子供の頃に家にあったから。父親が読んでその辺に置いといたのをそのまま読んでたから。
『ナニワ金融道』と同じパターンですね。
ただこっちの方が『ナニワ金融道』よりは(比較的)キャッチーだった。絵も内容も。金の話が中心なのはどっちも一緒ですけど。
子供なので競輪のことなんかよくわかんないんですけどキャラクターやセリフ、会話のリズム、身もフタもない表現がとにかく楽しくて、何度も読み返していました。
本作の主人公、名前を関優勝(せき まさかつ)というのですが、前述の通り自分自身が博打の駒でありながらギャンブル狂というロクでもない男なのですが、意外と言ってることはしっかりしてて、割とスジの通ってる部分があります。ギャンブル論以外は結構正しいことを言います。
とあるシーンで、主人公の関はちょうど自分が出場するレースのスタート前なんですけど、競輪場には口の悪いお客さんも多いもんですから(あくまでも昔の話。今は全然違うそうな)、スタート前で集中してる選手に向けて大声でヤジを飛ばしたりするわけです。
「やい〇〇コノヤロー!」
「バカ!アホ!」
「お前らちゃんとオレの言う通りに走れよバカヤロー!」
「〇〇!お前は今日は余計なことしなくて良いから黙って1番後ろ走ってろ!バカ!」
などと心無いヤジが飛び交うわけです。
そんなヤジを聞きながら、関がポツリと漏らします。
「バカはお前らの方だってことがまだわかんねぇのか…」
このセリフでやられました。
なんと的を得たセリフでしょう。
競輪にせよ競馬にせよ競艇にせよ、予想なんてそうそう当たりません。だいたいハズれます。
そんなこともわからず、外野から大声でヤジを飛ばす。こんな滑稽な様子もなかなかありません。
「バカはお前らの方だってことがまだわかんねぇのか」
こんなにも簡潔で、スカッとする表現が他にあるでしょうか。
巨大なブーメランであること意外は100点のセリフだと思います。
こんなシーン、こんなセリフがたくさん出てくるもんだからもう、僕の心は鷲掴みにされました。まだまだ紹介したいシーンはたくさんあるので、随時書いていければなと思います。
ありがとうございました。
読んでいただいてありがとうございました。退屈しのぎにでもなっていれば幸いです。