ミュウの裏ワザ

初代ポケモンでもういっこ思い出した。

ポケモン赤・緑と言えば裏ワザが豊富なのが有名で、色々試しては最終的にバグり過ぎてまともにプレイできなくなるまでがワンセットみたいなところがありました。

ポケモンにハマっていたのは小学生の頃。僕も色々試して遊んでたのですが、ある日「どうやら裏ワザでミュウが出せるらしいぞ」という噂が流れ始めました。

今現在の知名度だとどんなもんかはわからないのですが、当時ミュウと言えば幻のポケモンとして有名で、ゲームをフツーにプレイしているだけでは絶対に手に入らず、手に入れるためには確か抽選か東京で行われたイベントに参加するかの二通りの方法しかありませんでした。

抽選の倍率も凄まじいものでしたし、イベントの存在を知った時にはもう終わっていたので、当時の僕としてはもう絶対に手にいれることのできないと思っていたまさに“幻”のポケモンでした。

そんなミュウが手に入る可能性があると知り、噂の出所を探ったところ、どうも僕と同じ小学校の生徒にその裏ワザをしってる男がいるとの情報を突き止めました。

当時僕は小学三年か四年くらいで、その裏ワザさんは1コか2コ年上の人でした。

人伝てにその人を紹介して貰い、自分もミュウを出して貰おうとお願いしに行くことにしました。

仲介してくれた人から、今日の放課後5時過ぎくらいに学校の体育倉庫に来るように伝えられ、言われた通りに向かいました。

体育倉庫に入ると裏ワザさんがマットを何枚か重ねた上にドカッと座っており、ゲームボーイをプレイしていました。

「あの、なんかミュウ出せる人がいるって聞いて、自分もお願いしたいなって思ってきたんですけど…」と恐る恐る話しかけてみたところ、裏ワザさんは「うんいーよー」と快諾してくれました。優しい人でした。

自分のゲームボーイを渡すと、10分から15分程でパパッと裏ワザをこなし、ミュウを出してくれました。

どんなやり方だったかは忘れましたが、確かいらないポケモンをミュウに変えるって方法だったと思います。確かコイキングをミュウに変えて貰ったような。

「はい終わり。レベルは低いままだから自分で上げてね」と言っても裏ワザさんはゲームボーイを返してくれました。僕はお礼を言って受け取り、ワクワクしながら家に帰りました。

特にコレと言ったオチは無いのですが、なんというか楽しい体験だったなぁと。裏ワザさんの情報を調べて会いに行くところまでが、それがまんまゲームみたいだったなと。

当時はネットなんて普及してませんでしたから、情報はとにかくアナログな方法で調べるしかありませんでした。それこそ攻略本は貴重な資料でしたし、出版社ごとに内容が微妙に違ったりしたので、同じゲームの攻略本を何種類か買って、どの情報がホントに正しいのかを検証したりする人もいました。

今考えると効率悪いかもしれませんが、効率の悪さの中に面白さ・楽しさがあったのかもわかりません。

もちろん現代の効率の良さも素晴らしいし、どっちが良いとか悪いとかの話ではないんですけど、自分の足で情報を取りに行くってのは、あらためて大切なことだよなと。

そう考えると面白いタイミングに生まれたなと思います。情報を取り巻く環境の変化の目まぐるしさが直撃してて。

しかしまだこんなに覚えてるって、どんだけハマってたんだって話ですよね。三つ子の魂百までってこういうことかな。

ちょっと違うかな。

読んでいただいてありがとうございました。退屈しのぎにでもなっていれば幸いです。