ブラタモリ日記その55 「鹿児島・指宿 #263」 (2024.3.9)
今回のブラタモリは鹿児島県指宿(いぶすき)。最終回である。いや、ココがめっちゃスゴいのだッ。薩摩言葉でいえばわっぜぇである。なにがわっぜぇかって、まず冒頭からコレよ。
砂浜から湯気が出てるというこの衝撃よ。まずこの天然の砂むし温泉におどろかされた。おそらく旅界隈や温泉界隈では有名なのだろう。いや、もしかしたらみなさん普通に知っている一般常識かもしれない。
しかしなにしろボクはものをなんも知らん人間。室内ではなく、自然の海岸の砂にもぐって砂浴を楽しむって、そんなん初めて知ったわ。
そしてここ薩摩はカルデラとマールの、まぁ多いこと多いこと。……っと、なにげに「カルデラ」「マール」という聞き慣れないワードをサラッとつかってみたが、知らんがなッ、カルデラってなによ? マールってなんだよ?
しかしそこはブラタモリ。専門用語をたれ流したまま、初心者を置いてきぼりにすることはしない。カルデラとは、大量のマグマが噴き出したあとの地下に空洞ができて陥没し、そのくぼみに水がたまった場所をいうのだそう。つまり噴火でできた巨大な凹地ってことなんだな。
そしてマールは、マグマと触れた地下水が激しい水蒸気爆発をおこし、大きな穴が空いた地形をいう。カルデラとマール、どちらも噴火でできた凹地だが、くぼみができた過程がちがうようだ。なるほどッッ
こちらが九州最大の湖である池田湖。6400年前の噴火で誕生したカルデラの湖だ。その池田湖から断層に沿って他に3ヵ所で同時に噴火したという。つまり全部で4ヵ所の噴火だ。
ひぃ~~ッ、スゴいな……、4つの火山が同時に噴火って。しかも陥没して湖はできるは海は流れるは、地形が変わってしまうのだ。ついでながら6400年前の日本は縄文時代にあたるようだな。
ここまででもじゅうぶんお腹いっぱいなのだが、カルデラとマールのお話はじつはこれだけではない。これはほんの序の口。このあとボクは驚愕の事実を知ることになる。
番組は山川石や石敢當(せっかんとう)、スコリア石にサツマイモと、タモリさん一行がブラブラ歩きながら進行していく。そして最後におどろくべき事実がッッ。
さかのぼること11万年前。世界は氷河期へと突入し、寒さに強いマンモスが生息を広げた時代だ。そしてわれわれホモ・サピエンスはまだこの地球上に誕生していない。そんな遠い大昔に、なんとなんとッ、ここ薩摩で前述の池田カルデラよりもはるかに大きな噴火がおきたというのだ。
鹿児島湾の入口付近におきた超巨大な噴火。それによって直径20km以上の巨大カルデラができたという。名前は阿多カルデラ。
見よッ、池田カルデラなんか比べものにならないほどのデカさだよ。しかもだ。このような巨大なカルデラはこれだけではないというのだ。
九州にはなんと阿多カルデラ級の巨大カルデラがいたるところにあるのだ。うおおッ、すっげえぇーーーッ。おっちゃん、大・興・奮ッッ。そしてさっきまで池田カルデラでスゲーって思ってたけど、今となっては、ちっちゃッ。
いやはや、ここ薩摩という地は火山で出来ていると言っても過言ではないな。ていうか、タモリさんも言ってたけど、こりゃほんとにマグマの上に人が住んでるようなもんだぞ。そりゃ海岸に湯気も立つわ。
この前のセレクションで桜島が毎日噴火することにおどろいた。しかし九州全体の活火山の歴史からしたら、現在の桜島の噴火はほんの一瞬の現象にすぎない。たまたま今活発に活動しているのが桜島なだけということなのだろう。
ともあれ、今回のブラタモリはまさに最終回にふさわしいおどろきの内容だった。おっちゃん大満足よッ。こころなしかタモリさんと野口アナウンサー、ふたりともいつもよりテンション高めだったような。
そんなブラタモリ、現在のスタイルになってからの放送回数が263回。そしてこのブラタモリ日記が55回。ボクが鑑賞したのは全体の約1/5だ。あああ……たった1/5か……。もっと早くから観たかったわ。
でもこうしてnoteにしたためたブラタモリ日記を参考にして、これからは自分でブラタモリしようと思う。タモリさんから教わった地学の視点から洞察して、その土地の歴史を紐解く。うん、まずは自分が生まれ育ったこの新潟から紐解いていこうかな。
「指宿のわっぜぇ火山は歴史を動かす!?」
砂むし温泉 → 指宿で500年ちかくの歴史
わっぜぇ → すごい
年間300万人の観光客
開聞岳(かいもんだけ・924m)→ 別名「薩摩富士」と呼ばれる活火山
火山銀座 指宿
温泉の滝 → 温泉の沈殿物がへばりついて真っ白
海が侵食した海食崖 → 指宿の地層の断面が見れる
火砕流堆積物 → 噴火で流れ出た岩石や火山灰などが堆積したもの
指宿は町のほぼすべてが分厚い火砕流堆積物で覆われている
池田湖 → 6400年前の噴火で誕生、九州最大のカルデラ湖
カルデラ → 大量のマグマを噴き出したあと、地下に空洞ができて陥没し、そのくぼみに水がたまった
マール → マグマと触れた地下水が激しい水蒸気爆発をおこし大きな穴が空いた地形
6400年前に4つの火山が同時に噴火 → このときに流れた火砕流が現在の指宿の土地の基盤をつくる
4つの場所から同時に噴火したのは断層にそって地下からマグマが上がってきたから
指宿にはプレートの力でよってできた同じ方向の断層がいくつもある
池田湖はカルデラ、ほか3つはマール
水深が深くなっている → 大きな船が入りやすい
三方を切り立った山に囲まれている → 風の影響を受けない
日本のほぼ南端 → 古くから国際貿易港としてにぎわう
大航海時代から山川港は「ヒャマンガヴァ」として知られる
ポルトガルの貿易商人が山川に半年ほど滞在、帰国後に山川での生活を記録した → 日本のことを西洋に伝えた初めての見聞記 → ザビエル来日のきっかけに
山川石 → 山川だけで採れる火山由来の石
舐めると舌が吸いつく感触
島津斉彬・英姫(えいひ)の墓石に使われている
石敢當(せっかんとう)→ 沖縄で多く見られる石碑、魔物を撃退すると信じられている
山川港は江戸時代、幕府が鎖国を進めるなか、琉球国との貿易が認められた日本唯一の港 → 琉球の文化が根づいた
幕府に命じられた大規模工事や参勤交代などで薩摩藩は財政破綻の寸前 → 琉球や奄美の黒糖を独占的に販売することで再建
開聞岳は縄文時代から平安時代に何度も噴火を繰り返して今の形になった → その前はてっぺんに火口のくぼみがあった
琉球からサツマイモが指宿に持ち込まれる → 日本のサツマイモ栽培の原点
スコリア → マグマのしぶきが冷やされてできる軽石の仲間
開聞岳のスコリア土壌 → 通気性、透水性に優れて保温効果も大きい → サツマイモに適している
サツマイモが薩摩藩の主食に
享保(きょうほう)の大飢饉 → 1732(享保17)年、1万人以上が命を落とした飢饉
第8代将軍の徳川吉宗が飢饉対策の柱にサツマイモ
橋牟礼川遺跡(はしむれがわいせき)→ 縄文土器が弥生土器より古いという事実がわかった場所
大正時代まで縄文土器と弥生土器の違いは、時代ではなく民族の違いと考えられていた
縄文土器と弥生土器のあいだに火山灰の層
およそ11万年前、鹿児島湾の入口付近で大噴火が発生
直径20km以上の巨大カルデラ、阿多カルデラが誕生
指宿は巨大なカルデラの中にある
60万年以降に大噴火を起こしたカルデラは日本に9つ
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