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ブラタモリ日記その50 「鎌倉 #5 (2015年版)」 セレクション(2015.5.9)

今回のセレクションは2015年放送の鎌倉編。冒頭で鎌倉中(かまくらちゅう)という聞き慣れないワードが飛びだした。どうやら鎌倉のなかでも人の住む平地のエリア、つまり鎌倉時代の「鎌倉」といわれたエリアをそう呼ぶらしい。

その鎌倉中、現在の人口は約5万人だが、鎌倉時代はなんと倍の10万人が住んでいたという。へぇ〜ッ、さすが頼朝が築いた武士の都。鎌倉時代の日本の人口が約800万人。現在の1/15の人口だ。それなのに鎌倉は現在の2倍の人口。

しかも鎌倉は山に囲まれていて平地は狭く、人が住める地域は限られている。その限られた地域に人が密集してるのだから、さぞかし賑やかであったにちがいない。御家人が住めば商人が集まる。お寺が創建されれば僧侶が集まる。こうしてたくさんの人びとが集まってきて、どんどん鎌倉は栄えていったんだろうな。

そして都市が栄えるのに重要なのが港。鎌倉の遠浅な海岸は海水浴にはいいかもしれないが、港としては不向き。そこで往阿弥陀仏(おうあみだぶつ)という僧侶が当時の幕府の執権である北条泰時に願いでて、大量の石を運んで人工の港(和賀江嶋)をつくったという。

和賀江嶋

これがまたスゴい石の量なんだな。箱根や丹沢から大量の石を人海戦術で運んで、わずか1ヵ月ほどで港を完成させたらしい。いや、どれほどの人手と労力をかけて運んだんだろ。タモリさんも「地質や地形の熟慮」と「相当な権力の行使」で完成させたのかと感嘆していた。

さて今回再放送の鎌倉編だが、2015年の放送のときは前編(#5)と後編(#6)の二回にわたって放送されたようだ。ところがセレクションとしての今回の放送は残念なことに前編(#5)のみ。

な、な、なんやってぇ〜〜ッ、これじゃ中途半端じゃないかいッ。前編を観たからにはとうぜん後編も観たいがなッッ。がっくり……。いや、なんでだろ、やっぱりなにかしらの映像や資料の使用に関する契約上の問題で、後編は再放送できないってことかしら?? 知らんけど。


「鎌倉・800年前の『まちづくり』とは?」

鎌倉
鶴岡八幡宮
鎌倉の地図


わずかな平地の部分を鎌倉中と呼ぶ

鎌倉中 → 鎌倉時代の “ 鎌倉 ” を示す範囲 → 山間部をのぞく平地

鎌倉時代 “ 鎌倉中 ” には最大10万人が住んでいたとされる(現在は約5万人)


扇ガ谷絵図


谷戸

扇ガ谷絵図 → 天保3(1832)年の絵図

谷 → 「谷戸(やと)」「やつ」とも呼ばれる。鎌倉には200以上存在する

浄光明寺


浄光明寺敷地絵図

浄光明寺 → 建長3〜4(1251〜52)年に創建

開基は鎌倉幕府第5代執権 北条時頼と第6代執権 長時

浄光明寺敷地絵図 → 鎌倉時代の鎌倉中を描いた絵図として唯一現存。国の重要文化財にも指定。


鎌倉石


やぐら
鎌倉石石切場

鎌倉石 → 鎌倉の山でよく見られる「凝灰質砂岩」。削りやすく火に強い性質をもつ。

やぐら → 崖の一部を人工的に彫り込んでつくられた洞窟。お墓やお堂として使われた。

人の力で掘ることができる鎌倉石のおかげで墓場のスペースをつくることができた

石切り(おおよそ30cm × 15cm × 90cm)


網引地蔵

造成のあとの平場 → 地蔵院

網引地蔵 → 正和2(1313)年につくられた地蔵、菩薩坐像。やぐらの中には木製のはりと天蓋(てんがい)があったと考えられている


鎌倉カーニバル

鎌倉カーニバル → 昭和9〜37(1934〜1962)年に行われた鎌倉の夏の恒例行事

「主神(しゅしん)」と呼ばれる大きな人形を作っていた


材木座海岸


からわけ


青磁

からわけ → 鎌倉時代に使われていた素焼きの器

青磁(せいじ)→ 鎌倉時代に宋から輸入された焼き物

材木座海岸では「遠浅の砂浜」に埋まっている

川を流れてきた様々な時代の器の破片が岸に打ち寄せられる

遠浅であるため港には不向き


和賀江嶋


江戸時代の和賀江嶋のイメージ

和賀江嶋(わがえじま)→ 現存する「日本最古の築港跡」

満潮時にはほとんど海の下に隠れてしまう

緑の石 → 丹沢の石

赤い石 → 伊豆・箱根の石

鎌倉石では波などですぐ溶けてしまうため、近隣から石を運んで入れた

波食台 → 波が削った海面近くの岩盤のこと

わずか1ヵ月で完成 → 相当な権力と地質・地形の熟慮

和賀江嶋は何度も改修され、鎌倉の「海の拠点」として使われた

和賀江嶋をつくったことで海岸に砂が多く堆積 → その砂によって沿岸の砂丘が成長した

もともとは様々な弱点を抱えていた鎌倉 → 800年前の人びとは山や海の地形を利用して「武士の都」を作り上げた

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