どうする?負動産の実家33 引き継ぐ人
誰も継がない、限界集落に建つ築100年超の実家。これをどうするか?それが2014年に父の物忘れがはじまった頃から、わたしたち姉妹の懸案でした。姉妹はそれぞれ持ち家があります。父が施設入所後は、空き家管理の難しさから、とにかく借りてほしいと、無料で貸借していました。
2023年年初・葬儀後すぐ
2022年年末に父が亡くなり、葬儀後すぐに、当時実家を使用してくださっていたEさんと会いました。父の死亡で使用貸借契約が終了するので、なるべく早く話をしなければと思ってのことでした。
その時、Eさんから「ご縁をいただけたので、この場所で根を張って、たくさん人が集まる場所を開いていきたい」とうれしいお話をうかがいました。
本当にご縁があったのだなぁと思います。タイミングがずれていたら、わたしたちも貸さずに空き家のままだったかもしれないし、Eさんもどこか他の場所をみつけて移住されていたことでしょう。
振り返って2021年。Eさんに貸し出す経緯。
わたしたちが、最初の借家人が出ていった後の実家管理に疲弊していた頃のことです。たまたま、わたしと夫が帰省して、庭の桜の枝落としをして、
「なんてまあ、桜一本でも管理が大変だこと」と疲労困憊、畑でぐったりしていた時のこと。Eさんの知り合いが、わたしの帰省を聞きつけ、訪ねてきました。(この「帰省を聞きつける」というのが田舎あるある♪)移住者のEさんが、この実家と別棟、畑をまとめて借りたいという話です。
その時のわたしの心の声。
「あぁ良かった♪ 畑に建っていた不要なプレハブを撤去して整地し、雑草を刈り、今日は桜の木もキレイにしたところです!もうそれは、Eさんに借りていただくためだったのかも!」
その後、Eさん本人と電話や手紙で連絡を取り合い、2021年春に本格的に貸し出すことになったのです。
そのEさんが、近隣に溶け込んで、父が亡くなった今、このまま実家を使いたいと言ってくれている。これ以上ないお話でした!歯が欠けるように空き家が増える集落に、新たに人が入るのがこんなに嬉しいなんて、やっぱりわたしたちはこの村が好きだったんですね。
姉妹と具体的に相談し、手続きを開始することにしました。
負動産の実家 つづきは下記より。