場面緘黙症ブログ「12歳の私が伝えたかったこと⑤」 〜卒園式そして卒業式〜
4歳の時、幼稚園入園をきっかけに「場面緘黙症・緘動 ※」を発症した娘。
その後不登校やパニックなどを経験し、ようやく自分を振り返ることができた12歳の頃に綴ったブログを再構成しました。
(※場面緘黙症:家庭では話すことができるのに、社会不安のためにある特定の場面、状況では話すことができなくなる疾患。強い不安により体が思うように動かせなくなる「緘動(かんどう)」という症状が出る場合もある。)
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私は学校へ行ってません。
1年生の終り頃、学校へ行くことができなくなりました。
そしてもうすぐ私は小学校を卒業します。
幼稚園でおしゃべりしたり、動いたりできなかった私は、いつも先生やお友達に手を引いてもらったり動かしてもらったりしました。
卒園式の時もそうでした…。
動けない私の横に先生がずっとついてくれました。
自分では立ったり座ったりすることもできなかったので、先生が私の体を動かしてくれました。
一人ずつ舞台に上がって、卒園証書を受け取るときは、私の手を先生が支えてくれました。
その時、少しだけ自分の力で動いて、卒園証書を受け取れたような気がしました。
卒園式の後、教室で、一人一人に担任の先生からチューリップの花束をもらいました。
みんなは名前を呼ばれて受け取りに行ったけど、動けない私には、先生が来てくれて特別に抱っこしてくれました。
それまでは、先生に甘えないように、抱っこや手をつないだりしてはいけないルールでした。
でも、その時は幼稚園最後の日だったので、きっと抱っこしてくれたのだと思います。
本当は先生をもっとギューっとしたかったけど、動けないのでできません。
だけど、すごくすごくうれしかったです!
あともう少しで卒業式。
私は今では、がんばれば学校では多分動けます。
でも、無理と言えない相手に期待されたり、「うん」としか答えられない言葉をかけられたりすると、とてもつらくて、苦しくなります。
見た目では何も感じていないように見えるかもしれないけど、本当はすごくつらいです。
例えば、こんな感じ…
10日間くらい水分をとっていなくてのどがカラカラ
3日間くらい何も食べていないみたいにおなかがすいている
でも、おなかいっぱいな感じ
おなかや頭がとても痛くて、のどがしめつけられるような感じ
一生に一度しかない小学校の卒業式。
出たいけど、やっぱり無理かもしれません。
まだ、どうなるか分からないけど…。
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***hohimaro(ほほみの母)の記事も併せてお読みください***