[場面緘黙症・緘動また発達障害・不安障害・不登校などの生き辛さ]への理解 第28話 『安心と安全』
長女は4歳の時、幼稚園入園をきっかけに場面緘黙症・緘動(※)を発症しました。
二女は10歳の時、分離不安障害と診断を受けました。
我が家の3人の娘たちは学校に行かず家庭を中心に過ごしています。
※:家庭などでは話すことができるのに、社会不安のために、ある特定の場面、状況では話すことができなくなる疾患。強い不安により体が思うように
動かせなくなる「緘動(かんどう)」という症状が出る場合もある。
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分離不安障害のある二女は変化に対して、とてもデリケートに反応します。
「いつも通り」が何よりの安心。
いつも通りの人がいつも通りに過ごすいつも通りの場所。
それは言うまでもなく、普段通りの家の中。
二女にとって一番の安心地帯です。
そこでしっかりと安心感を得ることは、不安や心配事だらけの外の世界へ向かうエネルギーになります。
しかし不安定な精神状態にあるときには、それまで大丈夫だった環境でも変化が起こることがとても厳しくなります。
心身の調子が優れない時には、その変化を予知するだけでも、具合が悪くなってしまいます。
感覚もとても繊細なので、何かを変えようとするとき、何かが変わろうとするとき、大きな不安に襲われることがあるのです。
いつか、カウンセラーさんはこのように教えてくれました。
『本当は、一番大事なことは、 "あなたが安全であること"。
物のかたちが変わっても、感じとる感覚に変化があっても、それでも "安全" だということを本当は知ってほしい。
それを伝えたいです。』
と。
"キープとコントロール"。
状態をキープすることで安心を得ることができる。
不安が強い者にとって重要です。
その上で、少し状況や環境をコントロールしても、安心は変わらないことを体験してほしい。
そういう体験を通じ、少しくらい形を変えたり感覚に違いを感じても、安全だという最も大事なことを知る。
"安全"という何にも変えられない"安心"を知れば、多少の変化は自分にとって、本当は怯えたり心配したりしなくてもいいのだと、少しずつでも確信できるのかもしれません。
そして、その先にある、もっと魅力的なワクワクを見つけられることでしょう。
だけど今はまだ、"安全かどうか"より以前に、"安心してもいいのか"をしっかりと確認したい時なのかもしれません。
季節の変わり目。
特に感受性の強い子どもたちは、いろんな「いつも通りじゃなさ」を心と体で感じ取っているはず。
体調管理にもキープとコントロールはきっと大事ですね🍎