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07 とりあえず女装さしたらええと思うなよ #喋ってなんぼ駒井の「独り言ちてなんぼ!」

音声は以下に上がっています!このnoteと同内容を喋ってますので、ぜひ音声でも聴いてみてください〜

https://u8kv3.app.goo.gl/gGStm

完璧な女装を発見してんけど

 俺が所属している東京大学合唱団あらぐさというサークルでは、近年ハロウィンの時期に「仮装例会」っちゅう催しが行われとって、その日はみんな仮装して例会(普段の合唱練習のことを我々の団ではそのように呼んでいる)に臨むんよね。で、2018年、俺が2回のときも例によって仮装例会があったんやけど、そこで当時1回やった後輩がめちゃくちゃ完璧な女装をしてて、まあもともと可愛い系の見た目してるタイプのやつではやったんやけど、あまりにも女装の完成度が高すぎて俺はその女装してる後輩と喋るのにめっちゃ緊張してまうっていうことがあったんよ。いやほんまにね、元の素材もかなりええねんけど、その素材の旨味を全く無駄にせず、むしろ完全に引き出すようなメイク・かつら・衣装で、こんなに女装がうまいこといってるやつも珍しいよなあと思ったもんなんよね。

ようある女装文化

 その文脈で言うと、まあ灘っちゅうのはみなさんご存知の通りごりごりの男子校やねんけど、そういう学校にありがちなことに、文化祭とかで女装する風習があったりするわけやな。ほんで、その女装する文脈は文化祭の中でも2種類に大別されるんよ。まず1つは女性ユニットの踊りを披露するにあたってそれに合わせた衣装を着用する場合で、これは比較的ハードルが低いというか、そない女子っぽい感じがめちゃくちゃ要求されるわけではない雰囲気のやつ。人数もかなり多くて集団で踊ったりするんやけど、その中にはガタイのええやつとかも混じってたりするっていう感じやね。もう1つは、「美女コン」と呼ばれる女装コンテストに出場する場合で、これはほんまにガチのやつやな。出場者一人ひとりがちゃんとキャラクター考えて、それぞれがそのキャラクターに見合った女装をして、なんならシチュエーションミニコントみたいなんさえやらされるっていう、ほんまにちゃんとしてるやつなんよね。ほんで今日は、この後者の美女コンという営みに、というより、「お前美女コン出たらええやん」とそそのかす奴についてぼちぼち戯言をかましていきたいという話なんよね。ここで最初に言うとくけど、大前提として、周りからの評価とか云々抜きにして普通に「誰しもが自分のしたい服装したらええ」これは絶対間違いないから、それだけは念頭に置いといてな。

「お前美女コン出たらええやん」

 さて、ごりごりの男子校やと、ちょっと可愛い系の子らっていうのは「可愛い」という観点でもてはやされたりする風潮があって、灘も例によってそういう雰囲気がはびこってるんよな。ほんで、そういう可愛い感じの見た目してる層に対して、軽率に「お前美女コン出たらええやん」ってそそのかす奴がおったりするんよ。まあ一見普通にありそうなことやし、俺も在学中このくだりが行われてる現場に結構な頻度で遭遇したりしてたんやけど、正直に申し上げて、全く同意でけへんケースが多かった。なんなら、お前は何にもわかってへんな、とため息を吐かざるを得ずやったと言うても過言ではなかったな。なんでか? 答えははっきりしてて、すなわち、「別に似合わん可能性が極めて高いから」っちゅうことやねんな。これどういうことかと言うと、結局、可愛い系の見た目してる人らにもいろんなタイプがおって、その中で女装映えするタイプの見た目っていうのはごく一握りですよっていう話やねん。軽率に「お前美女コン出たらええやん」とか言いまくる奴っていうのは、この点を大いに見過ごしてるんよ。確かに、全員の中から女装似合う奴を抽出するよりかは、可愛い系の見た目してる層から女装似合う奴を抽出する方が高い割合になるとは思うで、それは間違いないんやけど、そういう系の全員が全員女装似合うと思ったら完全に大間違いで、女装っていうのはなんとなくの見た目の可愛さとは別の要素が必要になってくるんよな。ほなその要素ってなんやねんっていうたら、間違いなく「目ぇ大きいこと」「細すぎひんこと」の2点やと言うて差し支えないね。これね、美女コンへの出場をそそのかす側が特にめちゃくちゃ見落としがちなんが後者やねん。結構細い感じの人とかって女装似合いそうと思われがちやねんけど、いざやってみると割と骨ばってて男っぽい感じになってまうみたいなことがようあって、実は細すぎひん方が女装は似合うんよな。これはかなり盲点で、みんなあんまり気付かへんとこやし、俺もついこないだ人に言語化されてめちゃくちゃしっくりきた次第やねんけど、非常に重要なポイントやね。

女装だけが可愛さか?胸にいっぺん手ぇ当てて考えてみぃ

 つまり、なんとなしに可愛い系やなみたいな男のなかでも、目ぇが細かったり体格がかなり細かったりすると女装は(そそのかす奴が期待するほど)似合わへんわけで、これはむしろ女装することで本人らのもともと持ってる良さみたいなもんが殺されてるとさえ思うわけやね。でもそういう人らが可愛ないんかっていうたらもちろんそんなことはなくて、「可愛いねんけど女装という手段がそいつを活かさへんだけ」なんよ。つまり、ここで強調したいのは、女装というのは1つのツールに過ぎひんということであって、決して万能の調味料ではないということやねん。そもそも、なんでもかんでも女装を勧める奴っていうのは、「女子に近づけば近づくほど可愛くなるやろ」っていう非常に短絡的な発想になってもうてると思うねんな。女子としての見た目みたいな方向性でのみ「可愛さ」みたいなものを測ろうとしているわけで、単一の価値観に支配されてる感じが非常に残念やと言わざるを得ないというか、実情に即してない物の見方って感じがするわけやね。いろんな可愛さの方向性があって、そのなかで女装という手段によってより輝く人も“存在する”っていうぐらいのテンションであるということに一刻も早く気付くべきやっちゅう話なんよな。

女装ってケチャップやん(プチアナロジー)

 つまり、女装っていうのはケチャップみたいなもんやと思うわけや。すなわち、とりあえず掛けといたら美味しくなりそうなイメージもあるけど、その調味料自体にも結構なクセがありまっせということやねんな。卵料理とかに掛けたら当然めちゃくちゃ味がグッと上がるで、でも、例えば和風の薄味の料理みたいなんにケチャップをブッチュ〜いうて掛けたらどないなる? 台無しになるよなあ?! もうほんまにそういうことなんよ。結局、「可愛い系の見た目してる人」ってざっくり言うても、卵料理もあれば肉料理もあれば和風の料理、中華、いろんなタイプがあるわけで、ケチャップはケチャップを掛けることで味がようなるやつにしか掛けたらあかんねん。まあそれで言うと、冒頭で紹介した強烈に女装似合う後輩、あれは完全にスクランブルエッグやったな、もうケチャップを掛けられるべくして生まれてきたと言うても過言ではないやろう。そういうやつもおるにはおるっちゅうこっちゃな。

まあなんでもかめへんねんけどな

 というわけで今日は無責任にも俺なりの女装論を語ってきたわけやねんけども、ほんまに今日言いたいことはタイトル通り、「とりあえず女装さしたらええと思うなよ」これに尽きるわ。女装せえへん方が可愛いやろみたいなやつがとりあえずで女装させられることによって良さが半殺しになってもうてる場面を俺はかなり見てきたわけで、これ以上そういう被害者を出したくないという思いで筆を取らしてもろたわけやな。まあでもこうやってやいやい言うてきたけども、序盤に言うた通り、みんな着たい服を着るんがいっちゃんええと思いますわ。自分の着たい服を着て自分の生きたいように生きて、人生楽しんでいきましょう。ということで今日はちょっと早いけどこの辺で。ではでは出羽山脈〜〜


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