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#2 更生保護施設には違いがある?

先日(7月18日)は京アニ事件から3年を迎えたというニュースがありました。

事件の詳細は割愛しますが、犯人であるA氏は過去に別の事件で実刑判決を受け刑務所服役後に更生保護施設に入所していたそうです。事件内容はもちろんですが、更生保護施設に入所していたということにも驚きました。
こういう話題から『更生保護施設』というワードが出てくるので、『更生保護施設=危険』というイメ-ジがより出てきてしまう気がします。一般的な悪いイメージを無くすことは出来ませんが、良いイメージも合わせて持って貰うよう記事を書いていきたいと思います。

ここでは、少し堅い話になりますが更生保護の目的について話をしてみます。更生保護とは更生保護法の第1条に目的が定められています。ここではキーワードだけピックアップしてみますね。
1、犯罪をした者及び非行のある少年
2、社会内処遇
3、再犯防止
4、改善更生
5,恩赦の適正な運用
6,犯罪予防活動の促進
7、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進

この7つがキーワードになるのですが、更生保護に携わっている方で知らない方はいないでしょう。特に「再犯防止」「改善更生」はよく耳にしますね。この目的があることから、更生保護活動が出来るということですね。この目的を理解しているからこそ、毎日の処遇に繋がってくるわけです。とても大事なことだと思ってます。


さて、本題になります。
全国の更生保護施設(103施設)では、それぞれ特色があり、どこも同じではありません。今回は詳しい説明はしませんが、各施設ではそれぞれ受け入れる対象者や人数、施設内での取り組みなどが違いがあるのです。

①一般施設

②障がい・高齢者を多く受け入れる施設

③薬物対象者を多く受け入れる施設

大まかに3種類に分かれます。中には②と③を同時に運営している施設もあるので4種類になるかもしれませんが、ここではあえて3種類とさせてください。

①は通常の更生保護施設です。基本的には身体が健康で働ける方が多いです。薬物や障がい・高齢者などの受け入れは少ない施設になります。入所後は就労自立を目指す流れが一般的になるので、そのような対象者は少なくなる傾向があります。

②は『指定更生保護施設』と呼ばれています。全国で76施設。つまり全国の更生保護施設のうち約2/3が『指定』が付いた施設になるわけです。ここでは社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者が『福祉職員』として常駐しています。障がい・高齢者といった対象者を帰住させて福祉に繋げる取り組みをしています。障がい・高齢者を多く受け入れる施設になります。私がいた施設もこのタイプでした。

③は『薬物処遇重点実施更生保護施設』と呼ばれてます。全国に25施設。こちらも有資格者が常駐しており、名前の通り薬物事犯を多く受け入れています。施設内では薬物プログラムも行われているようです。

今回は簡単に更生保護施設が3種類に分かれている説明をしました。ここでは更生保護施設の大きな違いを感じ取って頂ければと思います。



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