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#14 リピーターの問題

以前とある新聞記事で「司法と福祉」というテーマを取り上げられていました。内容は主に「地域生活定着支援センター」(以下「定着センター)と「刑事司法ソーシャルワーカー」について。実例を取り上げつつ、仕組みの説明をしていました。

新聞記事内容を要約すると、
定着センターでは、「出口支援」(罪を犯してしまった障がい・高齢者の社会復帰を支援)と、「入口支援」(最近は逮捕後に不起訴処分になった方を支援)の説明があり、課題としては「地域の受け皿不足」を指摘しています。

「地域の受け皿の確保」という課題は、「定着センター」の課題というよりも、「更生保護全体」の課題と感じます。更生保護の世界にいるとよく感じられることですが、対象者が刑務所出所者等というだけで社会資源が利用出来ないことはよくある話です。

さらに付け加える課題とすれば、「リピーター問題」だと思います。「リピーター」とは再び事件を犯して刑務所に服役している方のこと。つまり再犯をしてしまっているわけです。定着センターを利用して福祉制度を利用して社会で生活しているにもかかわらず、再び罪を犯してしまう方が多いのです。

こういう状況から、福祉制度だけを提供しても再犯を防ぐには限界があるのかもしれません。もちろん定着センターを利用して再犯せずに生活している方はたくさんいるのは言うまでもありません。

定着センターでは、基本的には刑務所から満期釈放となる前に、行政機関や福祉施設等と調整して帰住先の確保を行ないます。更生保護施設への入所もあります。刑務所と定着センターの連携は密なものとなっています。しかしなから、実際は対象者全てが福祉施設等への帰住が出来るわけではありません。簡易宿泊所や無料低額宿泊所等へ入所することもあります。

罪を犯した障がい・高齢者の社会復帰を担う組織ということで、よく定着センターがピックアップされます。忘れてほしくないのですが、指定更生保護施設でもやり方は違うものの「出口支援」としては同じなのです。

支援者としては、再犯を意識した取り組みはますます求められるものになるでしょう。同時に福祉と更生保護の支援を組み合わせたハイブリッドな支援が求められていると感じさせられます。

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