【金】と【銀】動きに変化 と ゴールド現状把握
2024年1月24日にゴールドが高値から$20ほど下落する中、シルバーは堅調な推移となっています
これが何故起こっているか、考察していきます
金銀比価(ゴールド・シルバーレシオ)
つい先日までゴールドが堅調な推移をしており、逆にシルバーが叩き売られるような下落を見せたため、金銀比価が92まで上昇しました
この値はレジスタンスとなるところであるため、ゴールドが割高、シルバーが割安と見られた可能性があります
ドルが上がろうが金利が上がろうが下値が硬かったゴールドが$2000を割り込もうとしています
しかし、シルバーは$22がサポートとなり上昇をしています
金売り、銀買いの動きに見えなくもありません
アメリカのPMIが好調の数値を見せ、それがきっかけとなってゴールドは売られましたが、シルバーは一時的に下げたがその後すぐに切り替えしています
そもそもシルバーの需要はそれなりにあるため(供給不足とも)、安値は買われても不思議ではありません
実質金利(10年)
10年実質金利は、米国債10年金利からブレークイーブンインフレ率(10年)を引いたものです
下記のチャートは、ゴールドが逆メモリになっています
チャートを見ていただいてわかると思いますが、きれいに相関しています
直近高値を上に抜いていることから、ゴールドにとっては地合いが悪くなりそうです
短期的に$2000が維持できるか疑問です
イールドスプレッド(US10Y-US02Y)
イールドスプレッドとの関係も見逃せません
こちらも実質金利と同様な動きを見せています
イールドスプレッドは逆メモリです
イールドスプレッドが逆転(マイナス)になってから、正常(プラス)に戻った際はリセッションなど経済が不安定になると言われています
直近の安値(-0.15%)までまだ距離があるのですが、そこで反転しない場合現状のゴールドにとっては不安材料となりそうです
かつそうなると株も下げやすくなるはずです
ここ数年の動きでは、株が下げるとゴールドも下げています
その関係性はそう簡単に崩れないとは思えますので、株安にも注目すべきでしょう
為替とゴールド
ドル円とユーロドルで見てみます
ここ直近はドル円との関係性は薄くなっているようです
むしろユーロドルとの相関性が強いようです
ドル円は円の弱さがあっての上昇であり、米10年国債金利が5%をつけたような強さがないのも理由だと思います
ユーロドルが下げ渋っていることが、ゴールドの下値を固くしているとも見えます
COTレポートから
年初からポジションを見てみると、ポジションの手仕舞いがほとんどのようです
それによりネットポジションが0に近づいてきています
これもあまりゴールドにとってあまり良くない傾向ですね
一旦の押し目をつける可能性は十分あると思います($2000を割るかどうかはわかりませんが、割るのではないかと思っています)
下がったら商業筋が売りヘッジを解消し、上がったら投機筋が利益確定をする形でしょう
経済不安定になる前のゴールド
リセッションは個人的にないと思っていますが、少なからずなにかしらそろそろ出るとは思っています(年内か、来年か、数年後かわかりませんが)
その際は株安からのゴールド換金売りがでてくるはずです
史上最高値を更新し続けている米株がどこで躓くかは全くわかりませんが、一旦の調整みたいなものもあっていいのかもしれませんね